PAACニュース166号-2

2014/06/24

頸椎の骨軟骨腫:一般的な障害の稀な所見

【 概観 

目的:今回の症例報告では、C4の椎体前部から生じた骨軟骨腫という稀な所見について詳述する。これは、C4の椎体前部から生じた骨軟骨腫の症例に関する初の症例報告である。

臨床的特徴:24歳の男性は、頸部痛のためにかかりつけの医師の診察を求めた。その後、この患者は、カイロプラクティックの評価と治療のために、頸椎のレントゲン撮影へと照会された。C4椎体から生じた骨病変が明らかとなった。骨軟骨腫が疑われたが、軟骨肉腫を除外できなかった。整形外科的な診察の後に、主訴(頸部痛)に付随して起こりうる病変を伴った骨軟骨腫が確定診断となった。

処置と結果:この患者は、8週間に12回のカイロプラクティック治療を受けた。これには、胸椎や頸椎への素早く振幅の小さな脊椎マニピュレーション、干渉電流、超音波治療、ストレッチング、脊柱傍筋のエクササイズ治療が含まれていた。再評価によって、この患者は、仕事上の負荷、日常生活動作によっても無痛である事、睡眠の質も改善された事が判った。彼は、自宅でのストレッチと胸椎と頸椎の脊柱傍筋を対象とした強化訓練の指導を受けて退院した。6ヶ月目の追跡調査でも、症状の再発はみられなかった。

結論:我々は、C4椎体前部から生じた骨軟骨腫に関する初めての症例について詳述した。臨床的な評価、鑑別診断、画像による精密検査、治療について取り組んでいる。また今回の症例では、無症状の頸椎の骨軟骨腫は適応症かもしれない事、そして素早く振幅の小さな脊椎マニピュレーションが絶対禁忌とはならない事も実証している。(J Manipulative Physiol Ther 2010;33:711-715)

検索キーワード:カイロプラクティック;骨軟骨腫;頸椎;骨新生物;脊椎マニピュレーション

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