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PAACニュース201号:静止状態の身体平衡の維持過程の際の圧力中心の数値の変化における仙腸関節マニピュレーションの影響

2023/08/17

要約
目的:今回の研究の目的は、身体の静止状態の平衡を維持する能力について、仙腸関節(Sacroiliac Joint:SIJ)の可動性減少に対する手技治療の影響を明らかにするというものだった。
方法:体育大学の学生から成る2つのグループについて、圧力中心の移動を比較した:実験群(仙腸関節の可動性減少のみられた30人)と対照群(仙腸関節の可動性減少の無い29人)だった。実験群では1回のマニピュレーションを行い、対照群では偽手技をおこなった。以下の仙腸関節の可動性検査によって、仙腸関節の可動性減少を診断した:屈曲検査、ギレット・テスト(Gillet test)、長坐位テスト、下肢内転テストである。マニピュレーションの前後に、これらのテストとpodometric test(移動距離測定?)を全ての被検者に2回行った。分散の反復測定によって、実験的マニピュレーションの影響を検証した。従属的な標本や独立標本に関するt検定とノンパラメトリック検定によって、比較を行った。
結果:圧力中心(COP)経路、圧力中心経路の領域、平均的な圧力中心速度に関して、実験群では、治療前後に統計的に有意な違いが見られた(P<.05)。その上、対照群の方に、これらのパラメーターの治療前の値について、グループでの違いが見られたが、治療後の測定値によって、対照群のレベルに対して、実験群でのこれらの特性のレベルの正規化あ明らかになった。
結論:仙腸関節(SIJ)のマニピュレーションの1つの結果として、実験群では、バランス維持能力に関連したパラメーターの改善が見られた。(J Manipulative Physiol Ther 2021;44:408-419)
検索キーワード:姿勢バランス;筋骨格系マニピュレーション;仙腸関節
 

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