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PAACニュース201号:思春期特発性側彎症における短期間の3次元シュロス・エクササイズの効果:1

2023/08/17

要約
目的:今回の研究の目的は、短期間のシュロス・エクササイズ・キャンプ(Schroth exercise camp)、思春期特発性側彎症(adolescent idiopathic scoliosis:AIS)、患者の疼痛強度、体幹回旋の角度(angle of trunk rotation:ATR)、姿勢回復、体幹筋の耐久性、柔軟性、動的バランス、身体画像、美容上の変形に関する認識、健康関連の生活の質(health-related quality of life)にどのように影響するのかを検証するというものである。
方法:単一グループの事前と事後のデザインを実行した。思春期特発性側彎症(AIS)と診断された10歳から18歳の45人が今回の研究に採用された。脊柱側彎計(scoliometer)による体幹回旋の角度(ATR)、体幹前部対称性指数?(Posterior Trunk Symmetry Index)による姿勢対称性の変化、ストレイト・プランクとサイド・プランクの持続時間による体幹筋の耐久性、Yバランス・テストによる動作バランス、ウォルター・リードの視覚上の評価基準?(Walter Reed Visual Assessment Scale)による美容上の変形に関する認識、脊柱側彎症研究学会?(Scoliosis Research Society)による22項目の質問表による健康関連の生活の質(の評価を行った)。これらの被検者達は、1日に4.5時間の矯正エクササイズ(corrective exercise)が7日間行われる短期間の脊柱側彎症エクササイズ・キャンプに参加した。エクササイズ・キャンプの初日と最終日に、前述の評価を行った。
結果:シュロス・エクササイズ・キャンプ後には、被検者には体幹回旋の角度(ATR)の減少、姿勢対称性率?(postural symmetry ratio)の改善、体幹筋の耐久性の向上や動的バランスの点数の増大が見られた。美容上の変形の認識、健康関連の生活の質の改善も見られた(P<.05)。
結論:今回の予備的研究では、短期間のシュロス・エクササイズ・キャンプは、特発性側彎症の若者のために有益な効果をもたらしうるという事が示されている。今回の研究の結果は、予備的なものだと考えるできではあるが、初期所見は見込みと再現性があるように思われる(J Manipulative Physiol Ther 2021:44:612-630)
検索キーワード:エクササイズ;脊柱側彎症;治療;バランス;生活の質
 

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