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PAACニュース196号:慢性腰痛ありと無しの人の安定坐位と不安定坐位での腹筋活動における呼吸相の影響

2022/01/30

要約
目的:今回の研究の目的は、慢性腰痛(chronic low back pain:CLBP)のありと無しの人の様々な坐位での吸気と呼気の際の腹筋活動を評価するというものである。
方法:今回の研究は、36人の被験者(18人はCLBPがあり、18人は健康被験者)について行った。超音波画像を使って、腹横筋、内腹斜筋、腹直筋、外腹斜筋の厚さの変化を評価した。筋の厚さは、異なる3つの安定性レベルでの吸気中と呼気中に測定した:異なる3つの安定性レベルとは、イスに坐る、ジム・ボールに坐る、左足を持ち上げてジム・ボールに坐るというものだった。これらの姿勢で測定された筋の厚さは、仰臥位での休息状態での実際の筋の厚さに正規化して、厚さの変化のパーセンテージとして提示した。
結果:両方のグループとも、両方の呼吸相の際に座面の安定性が減少した時に、より大きな腹筋活動が見られた。しかし健康対照群と比較すると、慢性腰痛(CLBP)グループでは、両足を持ち上げてジム・ボールの上に坐った状態で両方の呼吸相で、外腹斜筋を除く全ての腹筋群に関して、より薄い筋の厚さが見られた。CLBPグループでは、両方の呼吸相で、イスに坐った状態で、健康対照群と比較すると、腹直筋の活動亢進が見られた。
結論:今回の研究の所見から、支持体表面の安定性が減少すると、健康対照群と比較すると、両方の呼吸相で、CLBPの人は、同様に全ての腹筋群を活性化させるのがより困難だった。これは、呼吸と姿勢の安定性の両方に影響を与えるのだろう。(J Manipulative Physiol Ther 2020;43;225-233)
検索キーワード:慢性痛;筋の厚さ;姿勢;呼吸;超音波

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