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PAACニュース197号:片頭痛患者の頸椎の屈曲回旋テストと可動域の評価者内と評価者間の信頼性

2021/08/10

要約
目的:今回の研究の目的は、片頭痛ありと無しの人で、頸椎の屈曲回旋テストと頸椎可動域(cervical range of motion:CROM)の信頼性、測定の標準誤差(standard error of measurement)、最少可検変化量(smallest detectable changes)を明らかにするというものである。
方法:片頭痛のある25人の女性(平均年齢35歳;標準偏差10歳)と25人の比較可能な頭痛の無い女性(平均年齢32歳;標準偏差11歳)が今回の研究に参加した。屈曲回旋テストによって、C1/ C2 の可動性を評価したが、その一方で頸椎可動域装置を使って、頸椎全体の可動域を算出した。評価者間の信頼性を評価するために、2人の別々の評価者が20分間の間隔を空けて同じ日にテストを行ったが、1週間の間隔を空けた後に、同じ評価者がこれらを繰り返して、評価者内の信頼性を評価した。3回の繰り返しの平均を使って、級内相関係数(ICC[2,k])、測定の標準誤差(SEM)、最少可検変化量(SDC)を算出した。
結果:屈曲回旋テスト(FRT)については、評価者内の信頼性は高かった(ICC > 0.83)、そして評価者間の信頼性は、相当な信頼性(substantial reliability)から優れた信頼性(excellent reliability)の範囲だった(ICC > 0.77)。測定の標準誤差(SEM)は2.44°から2.85°の範囲で、最少可検変化量(SDC)は6.78°から7.9°だった。頸椎可動域に関する評価者内と評価者間の信頼性は、相当な信頼性か優れた信頼性の範囲で(ICC<0.65)、測定の標準誤差(SEM)は2.03°から5.46°、最少可検変化量(SDC)は5.6°から15.14°だった。
結論:今回の結果から、片頭痛患者については、頸椎可動域装置による屈曲回旋テスト(FRT)と頸椎全体の可動域には高い信頼性があるという事が実証されている。その上、SEMとSDCは比較的小さかった。片頭痛患者の頸椎の臨床的評価については、、両方の評価を役立てる事ができる。(J Manipulative Physiol Ther 2020;43:847-881)
検索キーワード:結果の再現性;脊椎;片頭痛障害;可動域、関節

  
                 頭部に300 CROMを装着した屈曲回旋テスト
 

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