• トップ
  • 院長ブログ
  • PAACニュース195号:乳癌サバイバーの慢性的な筋骨格系疼痛のための治療としての手技療法:系統的レビューとメタ分析

PAACニュース195号:乳癌サバイバーの慢性的な筋骨格系疼痛のための治療としての手技療法:系統的レビューとメタ分析

2021/01/15

要約
目的:今回の系統的レビューの目的は、女性の乳癌サバイバーの上肢と胸部の慢性的な筋骨格系疼痛(chronic musculoskeletal pain:CMP)のための手技療法の効果を調査し、これらの患者の生活の質と機能の変化を調査するというものである。
方法:女性の乳癌サバイバーの慢性的な筋骨格系疼痛の治療のために手技療法が有効か否かを調査しているランダム化比較試験を確認するために、2018年の3月から、データベースのMEDLINE/PubMed、Cummulative Index of Nursing and Allied Health/EBSCO、Web of Science、Phisiotherapy Evidence Database について、系統的レビューを行った(PROSPERO番号CDR42017074175)
結果:今回のデータベース検索では、1562の表題を読み出し、篩い分けした後、完全解析のために5編の論文を採用した。採用した研究の中で詳述されていた手技療法のテクニックには筋膜誘導(myofascial induction)、筋膜解放、古典的なマッサージ、トリガー・ポイントの虚血性圧迫(ischemic compression)が含まれていた。母数モデル(固定効果モデル[fixed-effect model])を使いながら、メタ分析によって、手技療法が慢性的な筋骨格系疼痛の強度を減少させる事が明らかになったが、対照群と比較して、手技療法後の生活の質に統計的に有意な違いが観察された事は無かった(標準化された平均差:0.14;95% の信頼区間0.17-0.46)
結論:今回の証拠から、女性の乳癌サバイバーの上肢と後部の慢性的筋骨格系疼痛の治療について、手技療法が効果的だという事が示唆されている。(J Manipulative Physiol Ther 2019;42:503-513)
重要検索用語:乳癌;慢性痛;筋骨格痛;筋骨格マニピュレーション

PAGE TOP