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PAACニュース194号:肩のインピンジメント症候群患者に関する1つの結果判定法としての握力の筋力テストー再テストの信頼性

2020/02/07

要約
目的:今回の研究の目的は、肩のインピンジメント症候群患者について、手の動力計(hand dynamometer)を使った握力測定のテストー再テストの信頼性を調査するというものである。
方法:7日間の間隔で、2回の別々のテストを行う際に、同じデータ収集者が手の動力計を使う事で、全体で19人の肩のインピンジメント症候群患者(女性10人、男性 9人;平均年齢 ± 標準偏差、33.2 ± 12.9 歳;18-59 歳)を測定したが、各々のテストの際には、障害側の手で最大等尺性収縮を3回行うように患者に促した、そして3回の実行の平均値(キログラムで測定した)をデータ分析に役立てた。測定の標準誤差(SEM)の他に、級内相関係数(ICC)とブランド・アルトマン・プロット(Bland Altman plot)を使って、テストー再テストの信頼性と測定誤差の度合いをそれぞれ評価した。
結果:握力データ分析によって、0.94という級内相関係数の点数2.1が明らかになったが、これは、シュラウト(Shrout)分析に基づいて、握力測定に関して、テスト-再テストの高い信頼性があると考えられている。両方のテスト(SEM、2.55kgf;SEM2、2.39kgf)の際に報告された測定標準誤差(SEM)の小さな値、ブランドーアルトマンン・プロット(-7.39kgf から7.03kgf の範囲)における限度が95%という小さい幅の一致は、2つのテスト中の測定精度と違いに関する狭いばらつきを反映している。
結論:今回の研究の結果から、肩のインピンジメント症候群の際の握力測定に関して、テストー再テストの高い信頼性が確認されたが、これは、臨床現場での1つの結果判定法として、可能性のある使用だという事を示唆している。(J Manipulative Physiol Ther 2018;41:252-257)
検索キーワード:手の強さ;筋動力計;肩のインピンジメント症候群


 

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