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PAACニュース193号:慢性的な非特異的腰痛患者の腹筋持久性に対する治療弾性テーピングの効果:無作為化された単盲検の対照臨床試験

2020/02/03

要約
目的:今回の研究の目的は、慢性的な非特異的腰痛(chronic nonspecific low back pain:CNLBP)患者について、最長維持時間の持久力テストの際の腹筋の治療弾性テーピングと偽テーピングの効果を実証するというものである。
方法:今回の研究では、26人のCNLBP患者と26人の無症状の人達を採用した。CNLBP患者を、弾性テーピング・グループか偽テーピング・グループの何れかに割り当てた。治療弾性テーピング・グループでは、効果的な適用のために、治療目的の標準的な粘着弾性テープを利用した。治療弾性テーピングでは、腹横筋と内腹斜筋に本当の弾性テーピングを受け、偽グループは、偽りの弾性テーピングを受けた。偽グループに関しては、治療弾性テープを臍の上にテンションをかけずに水平に貼り付けた。洗浄後、各々のCNLBP患者は、他のグループへ移された。結果判定法には、操作の中で、仰臥位で等尺性胸部挙上、仰臥位での両下肢伸展挙上、腹部ドローイング(abdominal drawing)を行った最大時間を採用した。
結果:CNLBP患者は、無症状の人と比べると、最長維持時間は短かった(P ≦.01)。テーピング後に、両方のグループの最長維持時間の増大が見られた(平均的な違い=4.43ー50.69秒:P ≦0.2)。両方のグループの結果の間に違いは見られなかった(P ≧1.2)が、治療弾性テーピング・グループのエフェクト・サイズは大きかった(コーエンの d=-1.93からー1.00)
結論:今回の結果から、健康被検者と比べると、CNLBP患者では、持久力テストの際の最長維持時間が減少したという事が示唆されている。腹横筋と内腹斜筋に対して、弾性テープや偽テープを貼る事で、腹筋の持久力の間には、統計的に有意な違いは見られなかった。(J Manipulative Physiol Ther2018:41:609-620)
検索キーワード:腰痛;身体持久力;腹筋;運動選手テープ

   
腹筋組織の持久力テスト。仰臥位での等尺性胸部挙上テスト(A):仰臥位での両下肢伸展挙上(B)
:腹部ドローイング(C)(カラー・ヴァージョンはオンラインで見られる)

         
 腹横筋と内腹斜筋の治療弾性テーピング。腹横筋に関しては、治療弾性テープを両側の前上腸骨棘(ASIS)の
 間で、最大伸長の約50%の長さで、男性治療テープを貼った(A)。偽テープは、臍の上2cmにテープを全く
 伸長させずに貼った(B)。

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