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PAACニュース193号:前十字靭帯の完全断裂の関節鏡再建手術後の亜急性の臨床的特徴:症例対照研究

2020/02/02

要約
目的:今回の研究の目的は、健康な被検者について、前十字靭帯の完全断裂(complete anterior cruciate ligament rapture:ACLR)の再建手術後の亜急性段階での臨床的特徴を詳述するというものである。
方法:症例対照観察研究を行った。外来患者クリニックから、合計で80人の被検者標本を募集し、症例群(ACLRの再建手術後の亜急性段階の40人の患者)と対照群(40人の健康被検者)に分けた。視覚的アナログ尺度、万能角度計、Star Excursion Balance Test(SEBT)、Western Ontario and McMaster University Osteoarthritis Indexをそれぞれ使って、疼痛強度、可動域(range of motion:ROM)、安定性、機能性を含んだ転帰を評価した。
結果:再建手術後の患者と健康被検者との間では、性別、左右、年齢、体格指数(BMI)に関して統計的に有意な違いは見られなかった(P >.05)。視覚的アナログ尺度(中央値 ± 四分位範囲[IQR]、7.00 ± 1.00)と Western Ontario and McMaster University Osteoarthritis Index(中央値 ± IQR、68.77±6.29)の点数については、健康な対照群よりも前十字靭帯断裂(ASLR)再建手術グループの方が高かった他に、可動域(ROM)(中央値 ± IQR、-70.00 ± 10.00)
、Star Excursion(平均 ± 標準偏差、-38.31cm ± 4.52cm)の減少についても、-0.86からー0.93の大きなエフェクト・サイズによる統計的に有意な違いが明らかになった。
結論:適合した健康な対照群に対して、前十字靭帯断裂の再建手術グループについては、機能性、能力、可動域に関して測定可能な臨床的な違いを考慮すべきである。(J Manipulative Physiol Ther 2018;41:596-601)
検索キーワード:前十字靭帯;前十字靭帯再建手術;理学療法手順

                 
       万能角度計の平均値による膝の屈曲の測定(カラー・ヴァージョンはオンラインで見られる)

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