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PAACニュース192号:ローテーター・カフ縫合修復患者の肩関節機能における胸椎マニピュレーションの即効性:将来を見据えた研究

2020/01/13

要約
目的:今回の研究の目的は、肩峰下インピンジメントのための外科手術を受けた事のある患者の肩甲上腕関節について、肩の能動的な屈曲と外転の可動性、脊椎温度、そして3つの肢位(内旋、外旋、中立位)での超音波測定による肩峰下スペースの大きさに対する、胸椎マニピュレーションの即効性を評価するというものである。
方法:連続的に標本抽出された被験者を対象とした準実験的で、将来を見据えた、短期間の研究。32人は、棘上筋腱縫合と共に肩峰下減圧術を受けていた。以下の項目について研究した:年齢、性別、利き手側の肩、術前の症状発生時間、労働状況、可動性減少のみられる背側分節の表面温度、上肢機能指数尺度のスペイン語ヴァージョンを用いたマニピュレーション前の機能的評価、マニピュレーション前後の肩甲上腕関節の可動性測定での関節可動域、マニピュレーション前後ンの肩峰下スペースの超音波測定。
結果:胸椎マニピュレーション後の屈曲と外転に関する測定の際に、有意な違いと小さなエフェクト・サイズ( P <.001;エフェクト・サイズ>0.2)、中立位と外旋位での肩峰下スペース測定(P>.001)が明らかになったが、臨床的に意義のあるエフェクト・サイズ(<0.2)では無かった。
結論:ローテーター・カフ縫合のための外科手術を受けた事のある患者では、胸椎のマニピュレーション後に、肩の能動的屈曲と外転の可動性が増大した。マニピュレーション後に、肩の中立位と外転委によって、肩峰下スペースは増大した。マニピュレーションを行った部位の表面温度に関しては、違いは見られなかった。(J Manipulative Physiol Ther 2018;41:589-595)
検索キーワード:胸椎;肩;超音波検査;ローテーター・カフ;マニピュレーション;脊椎

            
 Girometti達が採用した測定法に従って行われた肩峰下スペースの測定(カラー・ヴァージョンはオンラインで見る
 事ができる)

          
 胸椎マニピュレーション、手技中のあらゆる疼痛を防ぐために、外科手術を受けた上肢を完全伸展位に保持した。
 (カラー・ヴァージョンはオンラインで見る事ができる)
 

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