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PAACニュース192号:モディック変化の有無に関わらず、カイロプラクティック治療を受けた非特異的腰痛患者における治療結果の比較

2020/01/11

要約
目的:今回の研究の目的は、カイロプラクティック管理を受けた非特異的腰痛患者について、モディック変化( Modic Changes:MCs)の有無に関わらず、その結果に違いはあるのか否かを明らかにする事である。
方法:今回の予備的結果研究では、核磁気共鳴画像でヘルニアが無い腰痛がある 112人を採用した。全ての被験者は脊椎手技療法による治療を受けた。基準時には、数値式疼痛評価尺度( numeric rating scale:NRS)と身体障害に関するボーンマス質問表( Bournemouth Questionaire:BQ)の情報を収集した。全体的な改善を評価するために、1週間後、1ヶ月後、3ヶ月後の追跡調査時に、NRS、BQ、変化に関する患者の全体的印象(主要転帰)の情報を収集した。モディック変化(MCs)の存在については、核磁気共鳴画像を分析したが、存在していたならば、モディックⅠやⅡに分類した。カイ二乗検定を行って、モディック変化のある人と無い人、モディックⅠとⅡの患者との間で、臨床的に意義のある "改善” を報告した患者の割合を比較した。基準時の NRS とBQ 、全ての追跡調査の時点での変化を点数を比較するために、対応の無いスチューデント t 検定を行った。
結果:主要転帰の測定について関連する ‟改善”(変化に関する患者の全体的印象)を報告した患者の割合、そして二次的転帰の測定( NRS とBQの変化の点数)については、モディック変化陰性と陽性の患者、あるいはモディックⅠとⅡの患者の間で、有意な違いは見られなかった。
結論:モディック変化の有無、あるいはモディック変化の分類は、どれもカイロプラクティック治療を受けたヘルニアの無い腰痛患者の治療結果とは関連してはいなかった。
検索キーワード:診断画像;カイロプラクティック;結果評価(医療);マニピュレーション;脊椎

              
 腰椎の核磁気共鳴画像。矢状断画像。T1強調画像(左)とT2強調画像。L5の下部の隅(すみ)にモディック変化
 タイプⅠが、そしてS1の上前部の隅にも僅かなモディック変化タイプⅠが見える。

              
 腰椎の核磁気共鳴画像。矢状断画像。T1強調(左)とT2強調(右)。L5の下位終板とS1上位終板にモディック変化
 タイプⅡが見られる。

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