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小児のカイロプラクティックより(臨床神経学:交感神経根を通した交感神経節と脊髄の接続)

2019/11/09

交感神経根を通した交感神経節と脊髄の接続
 交感神経は、一次性前脊髄神経根の他のニューロンと共に前角から出る。椎間孔では、はっきりと異なる交感神経束が前根から出てくる。これは髄鞘を有しているので、白交通枝、あるいは ramus albus と名付けられている。この小さな束は椎間孔を出て、そのレベルで傍脊椎交感神経鎖節(paravertebral sympathetic chain ganglia)を接続する前に、椎体の周辺に沿って前下方へと向かう。
 交感神経系の白い枝(white rami of sympathetic nervous system:白交通枝?)には、求心性と遠心性の両方の交感神経線維がある。求心性線維は、それらの内臓終末(visceral terminus)から交感神経節へと向かった後に、白交通枝と接合している。それらはシナプス結合する事なく、その神経節から白交通枝へと入り、脊髄神経の前枝へと入り、後根の体性感覚神経線維と見分けがつかなくなる。それらは後根神経節を通って、脊髄の後角へと向かう。これらの枝はT1からL3までの椎間孔から出ているだけだが、後頭骨から尾骨へと延びている交感神経連鎖の全長に亘って、白交通枝からの神経供給を受けている。
 遠心性の交感神経線維から成る束は、傍脊椎神経節を離れて脊髄神経に接合する。これらの交感神経線維は無髄の節後神経線維で、灰白交通枝( gray ramus communican )、あるいは灰白枝?( ramus griseus )と呼ばれている。白交通枝とは違って、灰白交通枝は連鎖の全レベルから出て、後頭骨から尾骨までの各々に脊髄神経を送っている。それらは脊髄神経の腹側と背側の両方の最初の分岐と同行する。灰白枝は皮膚、血管、汗腺、立毛筋、そして体細胞組織に分布している。脊髄神経の15%は交感神経由来であると報告された事がある。自律神経の感覚神経がT1~L3、S2~S4のレベルで脊髄の中へと侵入する部位との間に、体性感覚神経が後頭骨から4つの尾骨神経までの各レベルで脊髄神経へと侵入する部位との間に一致が見られないという事が、実際の自律神経性の刺激部位から離れた体細胞組織へと内臓刺激が関連する原因である。
 脊髄の中心には、特殊な流出物がある事が既に明らかになっている。上部胸椎の節前交感神経の遠心性ニューロンは、椎骨動脈神経と下心臓神経、迷走神経の交感神経線維と一定した関係を持っている。
 傍脊椎での過剰なシナプス結合が生じる。殆どの場合、各々の交感神経の節後ニューロンは、15から30本の節後線維に分布している。これらの各々は、順次、多くの効果器細胞に神経を分布させている。この分岐は、交感神経系のそれとは大きく異なっている。

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