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小児のカイロプラクティックより(臨床神経学:脳室系-脳脊髄液の流れ)

2019/10/16

脳室系-脳脊髄液の流れ
 脳室系は2つの側脳室、側脳室と第Ⅲ脳室を繋ぐ室間孔(モンロー孔)、第Ⅲ脳室、第Ⅲ脳室と第Ⅳ脳室を繋ぐ中脳水道、第Ⅳ脳室、マジェンディー孔、脊髄へ向けて下行する中心管から成っている。CSF(脳脊髄液)は、脳室系とクモ膜下腔全体に流れている。
 側脳室は、大脳半球に位置している。側脳室には5つの部分がある。それらは前角、中心部、側副三角、下角、後角である。脳脊髄液は、2つの側脳室からそれぞれの室間孔を通って第Ⅲ脳室へと進む。第Ⅲ脳室は、視床と視床下部の間にある。視交叉、後有孔質、乳頭体といった構造は、第Ⅲ脳室の床部にあって、後方には松果体の柄?(stalk of pineal gland)がある。第Ⅲ脳室から、CSFはシルヴィウス水道(中脳水道)を通って第Ⅳ脳室へと向かう。第Ⅳ脳室は脳幹、延髄、小脳の間にある。脊髄を通過する、あるいは脊髄から出る多くの脳神経の核と神経路は、第Ⅳ脳室の前部に隣接している。第Ⅳ脳室のCSFは、ルシュカ孔やマジェンディー孔といった開口部を通って、脳と脊髄周辺のクモ膜下腔、そして脊髄の中心管へと注いでいる。
 脳脊髄液は澄んだ無色の液体で、中枢神経系を保護、緩衝、そして支持している。これは、細胞外の隙間と脳脊髄液腔(CSF cavities)を満たしている。幼児のCSF量は、約 50ml で、成人のそれは150ml である。CSFは、血漿の限外濾過によって作られ、神経組織との隔離効果という二次的な作用もあると考えられている。脈絡叢は、軟膜の中にあって、中枢神経系の脳室腔の中に突出している血管の豊富な網状組織である。これは、脳脊髄液の主要な源だと思われる。脈絡叢の多く、最大50%は、大脳内皮細胞によって形成されていると考えられている。脈絡叢は、迷走神経、舌咽神経、交感神経枝からの神経供給を受けている。CSFは、上矢状静脈洞にあるクモ膜顆粒を通って、静脈の中に戻る。

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