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小児のカイロプラクティックより(臨床神経学:神経系の血液供給:脳)

2019/10/11

神経系の血液供給
 胎児期と出生後の間は急激に成長するので、神経系には大量の血液供給が必要である。同様に成人期においても、血管供給の大部分は引き続き必要とされる。

 
 脳の高い新陳代謝率は、全身が必要とする全体的な酸素と栄養の豊富な血液供給の不均衡な割合を生じさせる。脳が機能するためには、心臓からの酸素が豊富な血液の17%と総酸素量の1/5が脳に必要である。脳が全体重の2%しかないにも関わらず、これは事実である。大脳へと血液が正常に流れていれば、100gの脳組織は、1分間に約50ml の血液を、そして同量の脳組織は、1分間に3.3ml の酸素を消費する。脳への動脈供給は、椎骨動脈と内頸動脈を通る。
 主な脳への血液供給は、2本の内頸動脈と2本の椎骨動脈による。これらの動脈は結合して複雑な動脈—Willis輪(大脳動脈輪)となる。この複合体からの枝は、脳とその鱗屑構造へと向かう。大脳動脈は、大脳表面を覆うように流れていて、垂直に脳実質へと入り込む枝を持っている。これは、動脈が器官へと侵入する部位である門を持つ他の殆どの臓器にとは対照をなしている。
 静脈は脳から出現して、叢軟膜(pial plexi)を形成する。これらは結合して、弁を持たない深い静脈(深大脳静脈)を形成する。静脈洞は収斂して、最後には内頸静脈へと注ぎ込む。特に重要なものは、頭部外傷によって傷つき易い上矢状静脈洞である。脳幹と小脳の静脈は、動脈供給に従うことが多い。小脳静脈は、大脳半球からも注いでいる静脈と静脈洞の中に注ぎ込んでいる。脳幹のこれらの部分は、大大脳静脈、あるいは内大脳静脈の中へと注ぎ込む。

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