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小児のカイロプラクティックより(臨床神経学:上行性、求心性/感覚神経路:体性末梢神経)

2019/10/03

 体性末梢神経
 体性末梢神経系と自律神経系に混合した神経線維があり、このためにそれぞれの経路へと続こうとする意図が混乱させられている。脊髄神経根は、体性と自律神経の線維を運んでいる。体性末梢神経の機能解剖学についての幾つかの記述は、この神経線維の混合のために、自律神経系の部分に関するものである。
 此処には脊髄神経の前枝から形成される神経叢がある。これらは、頸椎、腕、腰椎、仙骨の神経叢である。
 頸椎神経叢は、C1~C4の脊髄神経から形成されている。その筋枝は、前頸部の多くの筋に分布している。頸神経ワナを通過している頸部の薄くて細長い筋は、内頸静脈の周辺で弧を描いている。横隔神経は頸神経叢の枝で、感覚と運動の両方の神経線維を横隔膜に供給している。皮膚への神経の枝は、鎖骨から頭部を覆って後部の頭皮までの皮膚と、その下の組織に感覚神経線維を供給している。頸神経叢の障害によって、呼吸問題、頸部の疼き、頸部の硬直、頸椎症候群、頸部の筋の萎縮といった障害が生じるかもしれない。
 腕神経叢は、C5~T1、しばしばC4やT2からの脊髄神経線維によって形成されている。この神経叢は、上体や上肢に分布している長胸神経、肩甲背神経、腋窩神経、橈骨神経、尺骨神経、筋皮神経といった具合に、脊髄神経からは幹、枝、束、そして神経に分かれる。長胸神経、肩甲背神経は、肩甲骨の位置に重要な意味を持つ肩甲骨間の筋に分布している。傷害によって、デュシェーヌ・エルプ(エルブ)麻痺、クルンプケ麻痺、ホルネル症候群が生じるだろう。
 腰神経叢は、L1~L4、そして幾つかの線維は、T12の脊髄神経の前枝によって形成されている。腰神経叢の主要な枝には腸骨鼠径神経、陰部大腿神経、外側皮神経、閉鎖神経、大腿神経がある。
 仙骨神経叢は、L4~S3の脊髄神経から形成されている。これは、体性、運動性、感覚性、そして交感神経の神経線維を骨盤、下腹部、下肢へと送っている。仙骨神経叢で最も目立つ枝は坐骨神経である。他の主な枝には総腓骨神経、陰部神経、後大腿皮神経、脛骨神経、筋神経?(muscle nerve)がある。仙骨神経叢で最も知られた傷害は、坐骨神経痛と坐骨神経炎である。
 また尾骨神経叢も存在している。これは、尾骨周辺領域の皮膚に皮枝を送っている。
 胸椎の脊髄神経は神経叢を形成しないが、脊髄神経は1つの肋間スペースに沿って、隣接する肋間スペースへの幾つかの枝とともに皮枝と筋枝を送っている。これは、2~4本の脊髄神経から供給される1本の神経を各々の肋間スペースに供給している。胸椎の脊髄神経は、胸部と腹壁の皮膚と筋に神経を送っている。胸椎の神経の傷害での一般的な症状は、帯状疱疹である。
 求心性感覚神経線維は、受容器や神経終末からのインパルスを伝達する。末梢の体性感覚神経の細胞体は、後根神経節の中にある。体性受容器は、固有受容器と外受容器を含んでいる。パキオニ小体、筋紡錘、ゴルジ腱器官が主な固有受容器である。自由神経終末、マイスナー小体(軽い接触)、パキオニ小体(強い圧力)、クラウゼ終末小体、ゴルジマッツォーニ受容体、ルフィーニ終末は、主要な外受容性の受容器と終末である。感覚性ニューロンが反応する領域は受容野である。受容野が小さくなって、それが多数になる領域には高度な感覚的鋭敏さがある。指先は、膨大な数の小さな受容野がある高度な感覚領域の1つの例である。
 一次性体性遠心性ニューロンは、運動ニューロンである。運動ニューロンには、主に2つのタイプがある。α運動ニューロンは、A-α(Aα)とA-β 線維を横紋のある骨格筋へと送り出している。γ 運動ニューロンは、筋紡錘の紡錘内線維に線維を送り出している。上位センターから運動ニューロンに影響を与えている第一次神経路は、皮質脊髄路、前庭脊髄路、赤核脊髄路、網様体脊髄路だる。運動ユニットは、1個の前角細胞とそれが分布する筋線維から成っている。粗雑な、あるいは大きな動きが求められる筋においては、一本の軸索が数百、数千の筋細胞に分布する。精密な動きに関する筋領域では、1本の軸索は10ないし、それ以下の筋細胞にしか分布しない。大腿、あるいは胸壁の筋は、前者の1例だが、外眼筋は後者の1つの例である。
 運動ニューロンに損傷があると、再建の際により多くの運動ニューロンが作られるが、更なる組織の再生に伴って本来の数へと減数していいく。
 末梢神経の重要な機能は反射弓である。最も単純なものは、単シナプス反射弓である。筋紡錘が伸長されると、求心性インパルスが当該の求心性末梢神経を上行して、脊髄神経の後根、そして脊髄内へと向かう。脊髄の前角にある運動ニューロンを伴ったニューロン・シナプスは、インパルスを筋へと送り返して、当該筋の収縮を引き起こす。その際には、拮抗筋と反対側の四肢の筋に関連するより一層複雑な反射弓が存在している。
 
 

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