小児のカイロプラクティックより(臨床神経学:脊髄)

2019/09/20

脊髄
 脊髄には内部の灰白質の核を取り囲むように白質周辺部がある。脊髄は軟膜、クモ膜、硬膜に覆われている。脊髄の白質周辺部は、主に脊髄神経線維で構成されている。これらは上行と下行の脊髄路を形成する。内側の ‟H” 型の部分は灰白質の部位で、神経細胞体、樹状突起、神経膠から成っている。脊髄の中心には中心管がある。脳脊髄液は、この垂直には配置された孔の中を通る。閉塞によって、この孔が拡張するが、この状態は脊髄空洞症として知られている。本症の古典的な臨床像は、孔を裏打ちしているこれらの構造、特に脊髄視床路の欠損である(疼痛と熱発)。
 四肢への神経分布のために、脊髄の灰白質は、脊柱の胸椎と腰椎部分で最大である。灰白質は、幾つかの部分に分かれる。前角は、運動ニューロンの部位である。これらは、体部位に応じて配列されている。上体と上肢の部分は外側に配列され、下肢の部分はより内側に配列されている。伸展筋群の部分は、前角の前部に向かって配置され、屈筋群の部分は、前角の後部に向かって配置されている。後角は、後根からの感覚神経の進入点である。殆どの感覚入力は、後根で処理される。中心部分は2つの側の間の交叉部分で、胸椎や腰椎には側角があるが、これは自律神経の細胞体の位置である。Rexed は、灰白質を9つの薄層に分け、脊柱管を取り囲んでいるもの 10 番目の層とした。
 頸髄には大きな交叉部分があるが、これは、頸髄を通って脊髄のあらゆる部位に向かう全ての上行路や下行路によって形成されている相当な量の白質があるからである。脊髄の2つの延長部分は、四肢への神経分布に関連している。頸髄の延長部分(C5~T1の脊髄レベル)は、上肢(腕神経叢)に関連しているが、その一方で腰髄の延長部分(L1~S2の脊髄レベル)は、下肢(腰神経叢と仙骨神経叢)
 脊髄の尾方端は、脊髄円錐である。神経根の最後は、馬尾へと繋がっていて、各々は関連レベルで脊柱から出て行く。軟膜は、硬膜の覆いと共に脊髄終糸の構成要素となり、脊髄が尾骨へと付着するための尾方の錨(いかり)となっている。

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