小児のカイロプラクティックより(臨床神経学:大脳皮質)

2019/09/01

大脳皮質
 大脳皮質にはその表面上に無数の皺が見られるという特徴があるが、これによって、頭蓋という限られた容器の中で表面積を大きく拡大できる。成人の大脳皮質に存在するニューロンは 140億 であると算出されている。潜在的、あるいは実際に膨大な数である樹状突起と軸索の相互連絡とニューロンが結合される事で、脳の力は理解を越えたものとなる。
 この皮質には脳溝を包んでいる脳回がある。皮質は葉に分けられる。前部は前頭葉で、これは中間領域(頭頂葉)からローランド溝(中心溝)によって分離されている。側頭葉は、上方はシルヴィウス溝(外側溝)によって、後方は人為的なライン(頭頂後頭溝?)によって後頭葉と分離される。人為的なラインは、前頭葉を後頭葉から分離している。
 皮質障害が疑われる部位を特定する事に関しては、各々の皮質領野の特別な機能についての知識の価値は計り知れないものである。中心前回は運動制御に関連している。その後部は中心後回、あるいは知覚皮質である。それらは、第一知覚運動皮質を共に形成している。知覚運動皮質は、体性感覚性に編成されている。これらの領野の内部は頭方の中心溝内部に位置し、下肢をコントロールしている。その外部は身体のより高位にあるが、これは、‟ホムンクルス” としてよく知られている。‟ホムンクルス” は、部位を限定するのに役立つが、最近の神経生物学者は、運動皮質の中で身体各部を表している各々の領野がそれほど明確ではない事を発見した。通常、動きというものは、神経と筋の一対一の関係にある関連するというよりも、複数の筋と関節に関連しているので、各々のニューロンが様々な筋に影響するほどには、その領野は明確ではない。ホモンクルスは境界不明瞭なものである。その後部-後頭葉-は視覚に関連している。また感覚入力と運動反応を統合している関連領野がある。側頭葉は大脳皮質の下外方の領野に位置し、外側溝、あるいはシリヴィウス溝(裂)によって、上部の領野と分離されている。そして機能的には後方の領野と分離されている。海馬や海馬周辺の領野は膨隆している部分である。島は、シルヴィウス溝の内部の奥深くにある。側頭葉の主な活動
は言語、聴覚関連、そして記憶である。
 言語のよう幾つかの機能に関しては、皮質のコントロールは左右対称である。これは、幾つかの皮質障害の部位を特定するのに役立つ。1つの例がブローカ、あるいは表現性失語症で、これは左下前頭葉にあるブローカ野(第 44 野)、あるいは運動性言語中枢と関連している。
 連合線維と交連線維は、様々な皮質領域を結合させている。これらは、大脳半球の白質の主要な構成部分である。皮質と他の中枢構造との間の上行や下行の結合線維-則ち脳幹と脊髄-は放線冠である。これらの線維は視床、尾状核、レンズ核の間を通過するので、これらの線維は収斂して内包を形成している。

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