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小児のカイロプラクティックより(妊娠中の運動:病的状態での運動の効果)

2019/07/01

病的状態での運動の効果
 この主題は、少数の文献しかない分野、妊娠中の運動の潜在的な危険性、あるいは効果の両方が大きくなる事がある分野を表現している。この関連で、興味をそそられる特殊な分野には、共存状態となっている母親の心臓血管疾患、肺疾患、新陳代謝性疾患;極端な胎児の成長;妊娠に特有の幾つかの病状が含まれる。この分野に関して研究済みの幾つかのものには、動物をモデルにしたものもあるので、著者は、ヒトの女性被検者に関して行われた研究のみを列挙する事にした。

心臓血管疾患
 以前からある心臓血管疾患と妊娠中の運動との間の相互作用は、現代では稀にしかない未治療のリウマチ性の心臓疾患を持った少数の被検者において検証されただけだった。これらの所見は、病気によって運動に反応する心拍出量が減少するという事を示唆している、そして興奮している筋に十分に(血液を)供給するために、これが血管収縮を増大させるはずである。手術による治療を受けた、あるいは受けてはいない先天的な心臓疾患をもった産科患者の発生率が増大しているにも関わらず、妊娠のストレスの上に運動による心臓血管ストレスを重ねることの結末に直接取り組むような情報は事実上存在していない。
 妊娠前からの高血圧、紅斑性狼瘡(エリテマトーデス)、末梢血管疾患によって複雑化した妊娠中の肉体的な活動の影響を取り扱っている情報は無い。糖尿病を除く代謝性疾患についても同様である。更にまた胎盤形成と栄養の運搬に対する運動の影響を通して、胎児の成長を調節するために運動を行う事についても、十分な注目を集めてはいないままである。

成長異常
 レクリエーションの運動を行っている人の子の出生時の脂肪の槐や大きさに対する運動の効果から、胎児の成長制限や過剰成長のどちらかによって複雑化した妊娠経験のある女性に関しては、運動が有効な治療様式であると立証されるだろうという事が示唆されている。

糖尿病
 妊娠糖尿病は、産科人口の4~7%に生じる。インシュリン治療やダイエットは、正常血糖値を達成するための唯一の、あるいは最良の治療法ではないかもしれない。妊娠におけるホルモンの変化は、末梢のインシュリン感受性を低下させるが、妊娠糖尿病に罹患している患者においては、この低下は一層大きくなる。低下したインシュリン感受性は、運動によって最も効率よく逆転させる事ができる。運動は、2型糖尿病のための随伴的、あるいは代替的な治療法だと長い間認識されてきた。主に胎児への潜在的な危険性のために、従来、妊娠糖尿病患者は、これには当て嵌まらないものとされてきた。運動に対する胎児の反応についての最近の研究によって、当初の懸念の幾つかは排除された。
 妊娠糖尿病患者に指示する運動についての研究では、これらの患者の生理学的、代謝的な反応は、健康で糖尿病ではない人におけるものと同じであるという事が示されている。軽度から中程度の肉体的活動を行っている妊娠糖尿病患者に関して、母体や胎児の有害反応が報告された事は無い。糖尿病ではない肉体的に活動的な妊婦に関しても、重大な合併症が報告された事は全く無い。
 現在までに2~3の研究が妊娠糖尿病患者のための幾つかの運動処方療法について検証している。これらの研究では、母体と胎児の安全性を評価し、糖負荷を改善させて、インシュリン療法を回避するための運動処方の効果を判定してきた。処方される運動療法には、以下のものがある:
1.Artal(人名?):(18人の被検者)出産予定日(EDC)前の6週間前に少なくとも週5回、食後(1日3回)、
  最大酸素消費量の50%での自転車漕ぎを20分間。
2.Jovanovic₋Peterson:(10人の被検者)出産予定日前の6週間に少なくとも週5回、食後(1日3回)、最大酸
  素消費量の50%での腕の筋運動を2分間。
3.Bung:(21人の被検者)出産予定日前の6週間に週3~4回、最大酸素消費量の50%での自転車漕ぎを45分間。

 運動を処方する事は妊娠糖尿病患者に適切であり、坐ってばかりいる妊娠糖尿病患者においてさえ、選択可能な治療法であるという事が、これら全ての研究から示されている。これらの研究で行われた運動の種類、頻度、強度は正常血糖値と達成し、維持するのに十分だった。体重負荷のかからない運動は、これらのタイプの患者には特に適しているように思われる。
 医学的、産科的な余病が無い場合には、運動を処方する事は、妊娠糖尿病患者のために選択される、あるいは付随的な治療と言える。この考えは、第2、3回の妊娠糖尿病国際講習会(International Workshops on Gestational Diabetes)において推奨された。




 

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