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小児のカイロプラクティックより(新生児の神経学的反射:深部腱反射)

2019/04/21

深部腱反射
 神経学的な検査のこの部分は、反射の成熟状態によって異なってくる。新生児における深部腱反射は、検者の母指や他の指を腱上に位置させて、その上から反射器具を用いる事で検査する。反射反応は活発で、母指下で容易に触診できる。新生児における皮質脊髄路(錐体路)の未熟な発達のために、様々な反応が予想される。常に繰り返しの相互的な神経学的な検査によって、陽性反応を確かめるべきである。屈筋の緊張が優勢のために、生後6ヶ月以内に上腕三頭筋反射を誘発させるのは困難である。交叉性内転筋反射は、膝蓋反射と共に見られるかもしれない。この反射では、股関節内転筋に刺激を与えた時に、両側性収縮がみられる。この反射は、生後8カ月までに消失するものとされている。それ以降の存在は、錐体前皮質脊髄路の機能異常を示唆しているのかもしれない。
 表在性腹壁反射は、4つ全ての(臍を中心とした)四分円において評価するべきである。新生児を仰臥位にして、検者は、各々の4つの外側角(lateral corner )から臍に向けてしっかりと擦過する。刺激に向かって臍が限定的に動く事が予想される。T8~10 の脊柱レベルは、上部の四分円において検査する、T10~12 レベルは、下部の四分円において検査する。反射の減弱や欠如は、運動中枢障害あるいは当該椎骨/神経分節での脊髄障害を示唆しているのかもしれない。
 クローヌスは、生後2~4ヶ月で見られるのは正常である。バビンスキー反射については、殆どの研究者達が生後1年間は正常であると考えているが、バビンスキー反射は、その正確性に関して幾つかの吟味を受けている。児の病的反射は、足底部表面を踵からつま先に向けて擦過する事で誘発される。予想される反応は、母趾の屈筋の反応(原文:flexure response of the big toe は、extensor response:伸筋の反応の誤りか?)と共に四趾が開扇する事である。この反応が左右対称で余りにも容易に誘発される、あるいは他の疑わしい神経学的な所見と関連しているのであれば、詳細な探求が必要である。
 

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