小児のカイロプラクティックより(分娩の段階)

2019/03/25

分娩の段階
 分娩の第一段階は、子宮頸部の展退と子宮口開大から始まり、全開大で終了する。第一段階は、更に潜伏段階と活動段階に分けられる。潜伏段階は、規則的な子宮収縮がある状態での子宮頸部の変化から始まる。それに続く活動段階は、子宮口開大率の高まりから始まる。分娩それ自身に伴うものなので、第一段階についてのそれらの分類は遡及段階である。殆どの女性の場合、潜伏段階が終わってから、4cm 開大した段階で活動段階が始まる。
 分娩の第2段階は、10 cm の完全な子宮口開大から始まり、児の誕生で終了する。この段階は、移行(transition)や(分娩時の)息み( pushing )と呼ばれる経過が含まれる。分娩の第三段階は、この出産後すぐに始まり、胎盤の娩出で完了する。
 分娩の第四段階は、胎盤が娩出される時から始まるが、血圧、心拍、悪露(lochia:通常は、子宮からの血液の経腟排出)、子宮の正常緊張状態から明らかになるように、母体の状態が安定するまで継続する。この段階は、1~2時間続く。これは、難産や長引く陣痛によって延長するかもしれない。そして麻酔や帝王切開の外科手術が適用されるかもしれない。

第一段階の生理学的な経過
 第一段階は、初産婦の場合には大体6~18 時間続くが、経産婦では2~10 時間である。この段階は、主観的には間歇的で痛みの強い子宮収縮という特徴があり、手を腹部の上に置く事で子宮硬化が容易に感じられる。分娩が進行するに従って、痛みはより頻繁かつ強くなる。一般に陣痛は背部から始まり、前腹部や大腿上部へと移動する。多くの女性は、それらを強烈な生理時の痙攣のように感じると言っている。
 子宮頸部の展退や子宮口開大は、分娩の正常な生理学的な経過であり、第一段階を成功させるために必要である。妊娠の大半の期間中、子宮頸部の長さは約 2.5cm で閉じている。妊娠期間の終了に向けてj、進行性の変化が子宮頸部に生じるが、これには子宮頸部の軟化、展退(短縮)、子宮口開大、膣においての後方位から前方位への移動が含まれる。子宮頸管が子宮下部の一部になるので、内子宮口は消退し始める。これらの変化が生じる程度(範囲)は、陣痛開始の接近と陣痛を誘発させるための試みの成功と相関している。
 理想的には陣痛開始時に子宮頸部が成熟しているべきである。成熟した子宮頸部は柔らかく、長さが1.3 cmより短く、指が容易に挿入でき、子宮口開大が可能となっている。これらの状態がみられる時には、陣痛の誘発は達成可能である。陣痛の間、子宮頸部は更に短縮し、外子宮口は開大する。子宮口が十分に開いて(平均10 cm)、児頭の通過が可能となったならば、これは全開大と言われている。
 最も頻繁には、第二段階の終わり近くで卵膜が破裂するが、この出来事は分娩の前あるいは分娩中のいつでも起こりうる。卵膜が破裂すると、羊水が噴出あるいは滴り出る、卵膜が破裂したか、損なわれていないかを知るのは時には困難である。
 正常な場合、卵膜が(自然あるいは人工的に)破裂した後で、子宮収縮はより促進され、分娩の進行がより早まる。
 

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