小児のカイロプラクティックより(栄養編)

2019/02/22

Pediatric Chiropracticという本の訳文を少しずつ紹介してみようと思います。1998年ごろの本なので現状に適合していない部分もあるかもしれません、御了承下さい。

妊婦の栄養について
鉄分
 鉄分はヘモグロビン生成に必要で、妊娠中は全血量が約50%増加するので、他の重要な血液成分と同様にヘモグロビンの必要量も増す。妊娠後期の6週間に、胎児は、産後の3~6ヶ月の必量を補うために、肝臓中に十分な鉄分を貯蔵する。母乳や処方では、この期間に新生児に必要な鉄分量を部分的にしか満たせないのである。
 正常な妊娠では、1日に800㎎ の鉄分が必要である。この内の300㎎ は、発育中の胎児に関連したもので、500mg は、母体の貧血症を予防する作用を持っている。そしてその量は、妊娠中に少なくとも1/4くらいは増加する。
 多くの母親は、鉄分を摂取した1つの結果として消化管障害を経験する。吐き気、胸やけ、下痢が生じるが、鉄分は便秘を引き起こす事がある。これらの症状は、準備の類に対立するものである消耗された鉄元素の量と個々の反応に関係している。これらの影響は、食事と一緒にサプリメントを摂る事で打ち消せる。もし身体が鉄分を十分に吸収できないのであれば、少量をより頻繁に摂るようにするべきである。もう1つの方法として、鉄分を一定して放出する鉄剤を摂ると良いかもしれない。鉄分吸収は、柑橘類やトマトのようにビタミンCに富んだ食物、あるいはブロッコリーやナッツのような非乳製の高カルシウム食品を摂る事で、鉄分吸収が促進されるだろう。
 体内に鉄分を最も効果的に吸収するには、鉄分に富んだ食物を摂る事である。鉄分は肝臓や他の内臓肉、赤身の肉、卵黄、ドライフルーツ、プルーンやリンゴジュース、アーモンド、胡桃、牡蠣、レンズ豆、乾燥えんどう豆などの豆類、廃糖蜜の中に含まれている。
 貧血状態は、産後の出血を悪化させる事があり、その結果として出産時に胎児に危害が及ぶ、あるいは産後の経過での母体の虚弱の原因となるので、母親の貧血を予防する事はとても重要である。母親は妊娠初期の来院時に血液検査を受け、妊娠7~8ヶ月にもう1度検査を受けるべきである。 

葉酸
 葉酸は、ビタミンB複合体の中の水溶性ビタミンである。この重要な物質は、全細胞の正常な成長に欠かせないもので、極めて重要なRNA と DNA の合成に影響する。妊娠中の身体には、普段の2倍の量が必要である。それ故、出産前に必要なビタミンを全て適正量摂るべきである。国立母体栄養審議委員会(National Research Council's on Maternal Nutrtion)は、妊娠後半の時期には1日に400㎎ のサプリメントを摂る事を勧めている。葉酸不足は、出血と胎盤の早期剥離に関連している。 
 葉酸は、肝臓、他の内臓肉、ナッツ類、食用酵母菌(トルラ属)、緑の葉物野菜、牡蠣、鮭、未精製の穀類、マッシュルームの中に含まれている。

ビタミンB12
 ビタミンB12は、チーズ、牛乳、乳製品、魚、内臓肉、そして卵から摂れる。このビタミンの不足は貧血の原因となるので、必須なものである。このビタミンは、、長期に亘る厳密な菜食主義ダイエットによって不足する。菜食主義のダイエットでは、特にB12を調合した酵母を取り入れるべきである。その代わりに、ビタミンB12の錠剤を使うと良いかもしれない。またビタミンB12は、テンペ(tempeh)として知られている大豆製品の中にも含まれている。

カルシウム
 カルシウムは、胎児の骨格と歯へのミネラルの沈着を促進させる。妊娠後期の3ヶ月では、胎児には普段よりも66% 多いカルシウムが必要だが、これは歯が形成され、骨格成長が最も急激な時期である。またカルシウムは、貯蔵場所として母体の骨格の中にも蓄えられている。
 妊娠中に必要なカルシウムの量は、1日に1200mgである。カルシウムを十分に体内に消化吸収するためには、ビタミンDと結合させなければならない。サプリメントを勧める際には、カルシウムとマグネシウムが半々のカルシウム製品を勧める。
 カルシウムは、乳製品、アーモンド、潰した胡麻の種や練り胡麻、骨付きの魚の缶詰、豆腐、大豆、エジプト豆の中に自然に含まれている。

タンパク質
 胎児の全細胞は、タンパク質によって構成されている。妊娠中にみられる急激な成長と全血量と羊水の増加に伴って、母体のタンパク質の必要量は、普段よりも約16グラムまで増える。
 タンパク質は、主に牛肉や豚肉、鶏肉、魚、未精製の穀類、マメ科の植物(えんどう豆、そら豆、レンズ豆、etc・・・・)、種、ナッツ類、乳製品(牛乳、ヨーグルト、チーズ、カ
ッテージ・チーズ)、そして卵の中に多く含まれている。栄養製品やタンパク質は、タンパク質の単独の供給源ではあるが、出産前のビタミンとミネラルのサプリメントでは、タンパク質は全く摂れない。タンパク質の補完の例については、表の5.3に概略が示されている。
 十分な食事による(タンパク質)摂取について注意深く監視する事の他に、妊娠中に避けるべきものについて理解する事は、絶対に必要である。その中で最も重大なものは、アルコール、医薬品、他の薬物、カフェイン、そして煙草である。

表5.3 タンパク質の補完例
小麦と牛乳            大豆ときび・粟・もろこしの類
米と牛乳             ピーナッツとひまわりの種
米と豆類             豆ととうもろこし
小麦と豆類            豆と牛乳
米と胡麻の種           ピーナッツと牛乳

薬物
 あらゆる状況下で胎児に安全であると立証された薬物は無い。あらゆる薬物は、胎盤の❝関門❞を通り抜けてしまう。抗生物質は急速に通過する。幾つかのサルファ剤は、胎児の肝機能を損なう事がある。テトラサイクリンは永久歯の変色の原因になるかもしれないし、胎児の骨の成長と発達に影響するかもしれない。毎日アスピリンを服用していると、妊娠、陣痛、分娩における合併症が高率で生じ、出血、感染、そして貧血の危険性も非常に顕著に増加する。
 幾つかの医薬品は新生児の欠陥の原因になるし、その内の幾つかは、成長遅延、発育上の、或いは精神上の発達障害、内臓の発達の異常に先行するものである。薬物の胎児への影響は母親におけるものと同じか、胎児の身体が小さい事、その発達や成長が急激である事のために、母親より影響が大きい可能性がある。全ての医薬品治療は、医師の厳重な、そして慎重な管理のもとに置かれるべきである。ある薬剤の効果について考慮する時に取るべき最善の道は、その必要性ではなくて、危害が生じる可能性や明らかな危険性の方に重きを置くべきである。
 薬草医や自然療法やホメオパシーの専門医の助けを受ける事は、多くの処方箋に代わる経験上より安全な代替療法となるかもしれない。

煙草 
 煙草の排除や煙草の本数を減らす事を示唆するような証拠は、現在確かにある。ニコチンだけが悪者という訳ではない―喫煙によって、タール、一酸化炭素、鉛、そして他の危険物質が体内に入る。喫煙している妊婦は平均的に小さい児を産み、早期の羊膜破裂、早産、周産期の死亡、胎盤の異常、懐胎期間中の出血の傾向も増す。胎児がこれらの合併症に見舞われる機会もより多くなる。受動喫煙についても綿密な検査が行われていて、現在では胎児に有害であると言われている。

カフェイン
 妊婦が摂るかもしれないくらいの適度に高レベルのカフェインを動物に与えると、出産障害が引き起こされる。カフェインは、妊娠初期や中期の流産、そして出生時の低体重によって乳幼児期にも関係している。
 国立科学学会(National Academy of science)によると、妊婦は、平均して1日に200㎎ のカフェインを摂っていて、それは1杯半から3杯のコーヒー、あるいは4杯のお茶(紅茶?)に相当する。カフェインんは、エピネフリン(アドレナリン)とノルエピネフリン(ノルアドレナリン)の産生を増加させ、子宮内の血管を含んだ末梢血管を収縮させ、胎児が得られる酸素や他の栄養物の量が一時的に減少する。胎児血液循環の中にカフェインが存在する場合、それが排泄されるには、成人と比べて非常に長い時間がかかる。
 カフェインは、コーヒー、紅茶、緑茶、コーラや他のソフトドリンク、チョコレート、医師の処方無しで購入できる幾つかの医薬品に含まれている。
 ヒトの出生障害、流産、不妊症に関してカフェインが果たすと思われる役割について更なる研究を行う必要がある。母親にカフェイン摂取を控えるように勧告するべきである。

他の化学物質
 人工的な色素、香料、添加物、防腐剤、あるいは人工甘味料、特にアスパルテームを含んだ食物は、厳格に排除するべきである。アスパルテームは、フェニルアラニンとアスパルティック酸という2つのアミノ酸が結合したもので、両者とも高レベルでは有害なものである。食品医薬品局(Food and Drug Administration)は、妊婦、胚/胎児のためのアスパルテームの安全レベルに関する発行物を未だに発表してはいない。またホットドッグ、ランチョンミート、ボローニャ・ソーセージに含まれている硝酸塩や亜硝酸塩も胎児構造単位に有害である事が立証されている。
 高カロリーだが栄養的には勝ちに低い食物は、栄養的に大きな価値があり、胎児の最善の発育と成長に欠かせない栄養を含んだ食物にとって代えられるべきである。


 




 

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