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PAACニュース190号:頸椎前彎角の測定のための写真測量手順の一致と信頼性;文献の系統的再検討

2018/12/07

       Priscila Mana Nascimento Martins de Aluquerque,MS(PT)、Geisa Gulmaraes de Alencar,MS
         Daniela Araujo de Oliveira,PhD 著

                                             訳:栗原輝久

要約
目的:今回の研究の狙いは、18歳から59歳の成人集団における頸椎前彎の評価に関する文献の中で入手できる写真測量手順の一致、制度、信頼性を検証、解釈するというものである。
方法:( PubmedによるMEDLINE、LILACS、CINAHL、Scopus、ScienseDirect、Web of Scienceという)電子データベースに関する系統的再検討によって、X線撮影と比較して、頸椎前彎を評価するための写真測量手順の一致、精度、信頼性を評価した研究の位置づけを行った。2016年4月に発表された文献を選択した。2人の独立した検閲者は、選び出した研究の質を評価するために、注釈(QUADASとQAREL)という手段を用いた。
結果:今回の再検討に2つの研究を採用したが、これらには高いレベルの信頼性があった(級内相関係数:0.974-0.98)。1つの研究だけは、方法間の一致について評価していたが、これはピアソンの相関係数の使用について計算していた。今まで、写真測量の精度が徹底的に調査された事は無かった。
結論:我々は、頸椎の過前彎の診断における写真測量の精度を調査した文献の中での研究には出会わなかった。しかし今回の両方の研究では、評価者内と評価者間の高い信頼性を報告している。頸椎前彎の評価における写真測量の証拠のレベルアップのためには、より大規模な標本を用いて、所見に関する外的妥当性を高める必要がある。(J Manipulative Physiol Ther 2018;41:71-80)
検索キーワード:写真測量;X線像;結果の再現性

                        (中略)


           
  図1.頸椎前彎角。A:コブ角法。B:後方接線法。(カラー・ヴァージョンはオンラインで
  閲覧可能)


  実際の適用
  ●過前彎や補正といった矢状面での頸椎の機能異常の診断のための写真測量法の能力を評価した研究は無かった。
  ●今回の研究では、写真測量法とX線撮影法で得られた頸椎前彎角の値の間の相関関係を評価するために、不適切
   な統計的手法(相関係数)を用いたが、今回の研究については、Bland-Altmanの描写図が最適である。
  ●頸椎前彎角の評価のための生体写真測量法には、評価者内と評価者間の高い信頼性があるので、治療の経過を監
   視するための1つの方法としてのみ用いられるだろう。


  (以下省略)

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