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PAACニュース190号:全体的な姿勢再教育実行後の大学生の姿勢の傾きの変化:無作為対照試験

2018/12/06

         Carios Lozano-Quijada,PT,PhD、Emilio J.Poveda-Pagan,PT,PhD、Jose V.Segura-Heras,PhD
         Sergio Hemandez-Sanchez,PT,PhD、Maria J.Prieto-Castello,PT,PhD 著

                                                       訳:栗原輝久

要約
目的:今回の研究の目的は、データ可視化スクリーン(data visualization screens:いわゆる液晶ディスプレイか?)を利用している若年成人の大学生について、全体的な姿勢再教育(global postural reduction:GPR)のみを実行した際の効果を評価するというものである。
方法:類似した2つのグループでの無作為対照試験を行った。64人の被検者を、全体的な姿勢再教育(GPR)を受けた実験グループ(男性12人、女性20人)と今回採用された治療介入を受けなかった対照グループ(男性13人、女性19人)へと無作為に割り当てた。2つのグループについては、治療介入の前、直後、48時間後、7日後に開眼状態と閉眼状態で、重心動揺計の付いた台を使って、姿勢中心(center of posture:COP)を評価した。
結果:時間と性別の相互作用において、姿勢中心によって占められた部位(P=.020)と内外測軸(P=.035)の標準偏差(SD)に関して統計的に有意な違いが見られた。全部の相互作用時間、性別、グループを考慮すると、重心中心によって網羅された前後方向の割合と前後軸での標準偏差について、統計的に有意な違いが見られた。全部の相互作用時間、性別、グループを考慮すると、重心中心によって網羅された前後方向の割合と前後軸での標準偏差について、グループと性別との間の相互作用に関する統計的に有意な違いが明らかになった(P=.043)。グループによる時間の相互作用を考慮すると、重心中心によって網羅される全長に亘って、統計的に有意な違いが見られた。
結論:全体的な姿勢再教育後、主に48時間後に、男性と女性の間での異なる様式の違いを伴った姿勢の傾きの変化が観察された。(J Manipulative Physiol Ther 2017;40:467-476)
検索キーワード:姿勢バランス;姿勢;筋骨格系マニピュレーション;筋力強化エクササイズ

                      (中略)


  
  図1.全体的な姿勢再教育。A:横隔膜呼吸と穏やかな頸椎牽引。B:"両足を外転させて、股関節の角度を広げ
  た"姿勢で、仙骨を牽引する。C:肩上部の筋連鎖への操作。D:"両腕を外転させて股関節の角度を閉じた"姿勢
  での肩前内側の筋連鎖への操作。E:下肢への特殊操作。F:"中心で立った"姿勢での胸椎と腰椎の矯正。
  G:最後の頸椎の矯正。(カラー図はオンラインで閲覧可能)。

  
  実際の適用
  ●1回だけの全体的な姿勢再教育(GPR)によって、姿勢の傾きが変化した。
  ●今回の研究から、GPR 後に男性と女性の間に行動の違いが見られるという事、そして臨床期間後に、これらの
   様々な効果を検証するためには、手技療法テクニックの効果を男女別に探索しなければならないという事が示唆
   されている。
  ●GPR の臨床計画を立てる際には、48時間と7日間の間隔を考慮する事もあり得る。

  (以下省略)

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