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PAACニュース182号:腰仙部の神経根障害の管理において、頭部前方位矯正エクササイズを付け加える効果:無作為化比較対照試験

2018/11/24

                          Ibrahim M.Moustafa,PT,PhD、Alina A.Diab,PT,PhD 著

                                             訳:栗原輝久

序論
目的:今回の研究の目的は、慢性の椎間板起因の腰仙部神経根障害の患者について、頭部の前方位の矯正を加えた多面的なプログラムの即座の、そして長期の効果を明らかにする事である。
方法:今回の無作為化比較臨床試験では、慢性の椎間板起因の腰仙部神経根障害と頭部前方位の見られる154人の成人患者(女性54人)を採用した。1つのグループは、機能回復プログラムを受け、実験グループは、頭部前方位矯正エクササイズを受けた。主要転帰は、オズウェストリー身体障害指数(Oswestry Diability Index:ODI)だった。二次転帰はには前方への頭部移動、腰椎前彎、胸椎後彎、体幹の傾斜、側方偏位(lateral deviation)、体幹の不均衡、表面的な回旋(surface rotation)、骨盤の傾斜、下肢や背部の疼痛点数、H反射の潜時?(H-reflex latency)、そして振幅が含まれていた。(治療前、治療後10週目、2年後の追跡調査時に)患者を評価した。
結果:反復測定による一般線形モデルによって、ODIの測定(F=89.7;P<.0005)、前方への頭部移動(F=23.6;P<.0005)、H反射の振幅(F=151.4;P<.0005)、H反射の潜時(F=99.2;P<.0005)」、背部痛(F=140.8;P<.0005)に関して、グループ間での有意な違いは見られなかった。2年後の追跡調査時では、今回の研究で採用された全ての項目について、有意な違いが見られた。(P<.05)」
結論:機能回復プログラムに追加された頭部前方位矯正は、慢性的な椎間板性の腰仙部神経根障害の患者の身体障害、3次元の脊柱姿勢のパラメーター、背部と下肢の疼痛、S1神経根機能に良い影響を与えたようだった。(J Manipulative Physiol Ther 2015;38:167-178)
検索キーワード:無作為化比較試験:姿勢:頭部:腰痛:神経根障害

     
     図1.間隔をあけた3回の測定の際のレントゲン所見のサンプル。
     (カラー・ヴァージョンはオンラインで入手可)

          
  図2.3回の測定時でのメートル法所見:(A)治療前、(B)治療の10週後、(C)2年間の追跡調査。
  DM:窪みの中間点、KA:後彎の角度、LA:腰椎の角度、VP:椎骨の突起(棘突起?)

 

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