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PAACニュース180号:急性痙性斜頸の際の能動的頸椎回旋による肩甲骨再配置の即時の効果

2018/11/22

             Niyati A.Desal,BPTh,MPTh、Subhash M.Khatri,PhD、Apeksha B.Agarwal,MPTh 著

                                             訳:栗原輝久

要約
目的:今回の研究の目的は、急性痙性斜頸患者に対する肩甲骨再配置テクニックの疼痛と圧痛覚閾値(pressure pain threshold:PPT)に関する即座の効果を調査するというものである。
方法:無作為化単純盲検試験的研究を実行した。参加者は、痙性斜頸の臨床診断を受けた23人(20歳から40歳)だった。施術の前後に、視覚的アナログ尺度の点数、頸椎の能動的可動域、圧痛覚閾値(PPT)を評価した。比較群は、通常の理学療法(マイクロ波透熱療法、最大下アイソメトリック、人間工学的助言)のみによる治療を受けた。治療群には、通常の理学療法の他に能動的頸椎回旋による肩甲骨再配列を行った。
結果:通常の理学療法と比べると、肩甲骨再配置と通常の理学療法を組み合わせた治療では、疼痛強度(P<.01)、(疼痛側と)同側への頸椎回旋(P<.01)、反対側への頸椎背屈(P<.01)、圧痛覚閾値(PPT)(P<.01)に有意な改善が見られた。
結論:痙性斜頸患者の疼痛強度、圧痛覚閾値、頸椎可動域に関して、肩甲骨再配置には即座の鎮痛効果がある事が、今回の予備的研究によって実証された。それ故、更なる対照臨床研究が必要である。(J Manipulative Physiol Ther 2013;36:412-417)
検索キーワード:感覚鈍麻:肩甲骨:運動障害:斜頸

   
 図1.能動的頸椎回旋による肩甲骨再配置。(カラー・ヴァ  図2.圧痛計による圧痛閾値の評価。(カラー・ヴァ
 ージョンはオンラインで入手可)              -ジョンはオンラインで入手可)

  実際の適用
  ●今回の研究では、痙性斜頸患者において、能動的頸部運動の他に肩甲骨再配置を行う事で即座の効果がある事が
   示された。
  ●今回の結果から、疼痛尺度、圧痛覚閾値、頸椎の能動的可動域に関しての改善が明らかになった。

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