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PAACニュース177号:様々な頭部姿勢や頸椎マニピュレーション後の椎骨動脈の血流の変化

2018/11/18

                    Jairus J.Quesnele,DC、John J.Triano,DC,PhD、Greg D.Wellls,PhD 著

                                              訳:栗原輝久

要約
目的:この研究の目的は、椎骨動脈(vertebral artery:VA)に関する核磁気共鳴画像を使って、生体での頸椎の回旋やマニピュレーションを含む頸椎配置の脳血管の血流力学反応を調査する事である。
方法:今回の予備研究は、4つの無作為化臨床業務と共に、目隠し状態の検者群として実行された。24歳から30歳(平均年齢26.8歳)の10人の男性参加者は、この研究に自発的に参加した。被検者の中で最近6ヶ月以内に頸椎や上肢の機能障害、頭痛の病歴のある者はいなかった。彼らには最近の神経学的症状やその病歴も全く無かった。3つの異なる頭部姿勢とカイロプラクティックの上部頸椎マニピュレーションの後に、頭部中立位の状態で、C1-C2の脊椎レベルでの椎骨動脈の血流量と速度の生理学的測定を算出した。心臓周期を通じて、全部で30例の血流をコード化した位相差画像を選択し、4つの各々の状態に関して、それを用いて、1回の完全心臓周期での血流の輪郭を得た。分散に関する反復測定分析を行って、流量(ml/秒)と速度(cm/秒)の変量の間の違いを評価した。
結果:状況全体を通して、速度(P=.14)と流量(P=.19)の何れかに関しては、同側、あるいは対側の椎骨動脈の速度の間の左右の違いは大きくは無かった。他の全ての血流量や速度の変動の違いに関しては、他の相互作用や傾向は見られなかった。
結論:健康な若年男性においては、様々な頭部姿勢や頸椎マニピュレーション後に、椎骨動脈の血流量や速度に大きな変化は見られなかった。(J Manipulative Physiol Ther 2014;37:22-31)
検索キーワード:血流速度:脊椎マニピュレーション;血流力学:頭部の動き:椎骨動脈:椎骨脳底動脈循環不全症

   
 図1.MRIの回転テーブル上で行われたC1-C2の素早く、
 振幅の小さな頸椎マニピュレーションの1例。(この図
 のカラー・ヴァージョンはオンラインで入手可)


                
 図2.A:標識を付けられた標的部位の位相差画像の1例を提示している(すなわち血管断面図)、1:右椎骨動脈、
 2:右内頚動脈、3:右内頸動脈、4:外頸動脈。B:対応強度の画像が示されている。         

 実用的応用
 ●今回の研究では、椎骨動脈にMRIを用いて、回旋とマニピュレーションを含んだ頸椎肢位に関する椎骨脳底動脈の
  血行動態力学的な因果関係を調査している。
 ●健康な成人男性の椎骨動脈については、様々な頭部姿勢やマニピュレーションによる有意な変化は見られなかっ
  た。
 ●今回の研究は、頭部姿勢と頸椎マニピュレーションの血管への影響に関する限定的な知識には貢献していて、頸椎
  に一連の機械的課題を与えた際の血流と流速に関する直接データを入手した最初のものである。

 (以下省略)

 

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