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PAACニュース176号:頭蓋頸椎の姿勢の評価の信頼性:写真とレントゲン像による

2018/11/17

          Inae C.Gadotti,PhD、Susan Amijo-Olivo,PhD、Anelise Silveria,MScRS、David Magee,PhD

                                               訳:栗原輝久

要約
目的:今回の研究の目的は、写真とレントゲン像での定量的測定を行って、矢状面での頭蓋頸椎の姿勢に関する評価者内と評価者間の信頼性を明らかにして、評価者間での姿勢に関する視覚的評価の一致を究明する事である。
方法:39歳の健康な女性から、矢状面での頭蓋頸椎の姿勢に関する1枚の写真とレントゲン像を撮った。Alcimage Software(ブラジルのUGのウベルランディアのAlcimage 社製)を使って、22人の被験者の写真から3部位の角度を測定し、レントゲン像から10部位の角度を測定した。2人の評価者が2回の反復測定を行った。評価者内と評価者間での測定値を比較して、評価者内と評価者間の信頼性をそれぞれ比較した。2人の評価者間で、写真とレントゲン像を使って、39人の被験者の視覚的評価を行うために、級内相関係数と標準誤差を用いて、ケンドールの一致係数(k)を計算した。
結果:写真とレントゲン像の両方から、良から優までの評価者内と評価者間の信頼性が明らかになった。評価者間の標準偏差は大きく、頸椎前彎の写真測量法とレントゲン像上で1部位の角度で頸椎前彎の測定も臨床上重要な意味のあるものだった。写真による視覚的評価に関する評価者間のケンドールの一致係数(k)は乏しかった。
結論:評価者間の比較を行った時には、頸椎の2部位の角度による前彎測定を除くと、写真とレントゲン像での角度測定と頭蓋頸椎の姿勢の定量化については、評価者には信頼性があった。評価者間の姿勢の視覚的評価には信頼性が無かった。(J Manipulative Physiol Ther 2013;36:619-625)
検索キーワード:姿勢:頭部:頸部:結果に関する信頼性:写真測量法;レントゲン像

  
 図1.写真測量の実例;頭蓋脊椎角(CVA)は灰色線、
 頸椎傾斜角(CIA)は黒線、CA(頸椎角)は白線。
(カラーヴァージョンはオンラインで入手可)

      
     図2.レントゲン像上で測定される角度の図解:NSL/CVTとAm/C7/hor(A):
     OP/hor:CVT/hor、CIArとspCIA(B):ARA、CArとspCA(C)


  実用的応用
  ●臨床現場で矢状面での頭蓋頸椎姿勢を測定するための1つの方法として、写真上で頭蓋脊椎と頸椎の傾斜角を測
   定する事が推奨される。
  ●評価者間での姿勢に関する視覚的評価は主観的なもので、信頼性は無かった。
  ●今回の研究結果から、頸椎の前彎については、写真測量法よりもレントゲン像を使って測定する方が支持され
   た。

   (以下省略)                                    

 

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