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PAACニュース166号:環軸関節の骨関節炎の治療のための授動法と組み合わされた上部頸椎のマニピュレーション

2018/11/06

                   10症例に関する報告

       Hong Yu,MD、Shuxun Hou,MD、Wenwen Wu,MD、Xiahua He,MD,MS 著

                                                  訳:栗原輝久

概観
目的:今回の研究では、授動法器具の治療と組み合わされた上部頸椎のマニピュレーションによる治療を受けた環軸関節の特発性の退行変性と外傷性の骨関節炎の患者の転帰について提示する。
臨床徴候:カイロプラクティックと整形外科の両方の業務を行っている多くの専門分野に渉総合クリニックにおいて、病歴、臨床症状、身体検査、レントゲン所見から環軸関節の退行変性、あるいは外傷性骨関節炎であると診断された10人の患者に関する遡及的な症例再検討を行った。今回の一連の研究のために選び出された10人全ての患者は、上部頸椎のマニピュレーションと授動法器具治療が組み合わされた治療を受けた。治療開始前と治療終了時に結果判定の情報を収集した、患者の自己報告による数値式疼痛尺度(numeric pain scale:NPS)に関するレポート、身体検査、レントゲン上の変化による評価を行った。術前の平均的な数値式疼痛尺度は8.6(7-10の範囲)で、術後の追跡調査では、その平均が2.6(0-7の範囲)まで改善した。治療終了時には、C1-C2の平均回旋角度が28°(±3.1)から52°(±4.5)まで改善した。関節腔の回復は、6人の患者で観察された。全体的な臨床上の改善については、患者の約80%が"優(good)"、あるいは"優秀(excellent)"と記した。疼痛と可動域の臨床的改善については、それぞれ患者の80%と90%で見られた。
結論:環軸関節の骨関節炎に対するカイロプラクティック管理によって、これら10人の患者に好ましい結果がもたらされた。
キー検索に用いた用語:環軸関節:骨関節炎:難治性疼痛:マニピュレーション:カイロプラクティック

   
 図1.46歳の男性、彼は、治療の2ヶ月前に頭部と頸  図2.図1と同じ患者、上部頸椎への素早く振幅の小さな
 部の外傷を負った。彼の主訴は、左頸部の疼痛だっ  アジャストメントと器具による補助的な治療を受けた6
 た。身体検査によって、C1-C2の回旋可動域の減少  週間後のもの。この患者は、疼痛の緩和を報告した。
 が明らかになった。単純レントゲン像では、左環軸  また身体検査によって、C1-C2の回旋の改善が明らかに
 関節の関節腔の狭小化が見られた。この患者は、外  なった。単純レントゲン像では、左環軸関節の関節腔の
 傷性の環軸関節の骨関節炎との診断を受けた。    回復が見られた。


   
 図3.70歳の女性、彼女の右頸部には進行性の頸部痛  図4.図3の患者のCTスキャン像、右環軸関節の関節面の
 が生じていた。身体検査では、C1-C2間の回旋が無  浸食が見られた。
 い事が明らかになった。レントゲン像では、右環軸
 関節の関節腔の狭小化が見られた。

   
 図5.図3と図4の患者、器具による補助的な治療と組  図6.図3-5の患者の治療後6ヶ月。CTスキャンによって、
 み合わされた素早く振幅の小さな上部頸椎のアジャ  関節面の浸食がまだ存在している事が明らかとなった。
 ストメントから8週間後のレントゲン像、疼痛の僅
 かな改善がみられた。身体検査でも、C1-C2間の可
 動域の僅かな改善がみられた。レントゲン像によっ
 て、関節腔の部分的な回復が明らかとなった。

 (以下省略)

 

 


                                               

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