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PAACニュース166号:頸椎原性頭痛と屈曲ー回旋テストによって明らかになる障害との関係

2018/11/05

            Toby M.HALL,MSc、Kathy Briffa,PhD、Diana Hopper,PhD、Kim W.Robinson,BSc 著
                                               
                                              訳:栗原輝久

概観
目的:今回の研究では、屈曲-回旋テスト(flexion-rotation test:FRT)によって確認される頸椎原性と思われる頭痛(cervicogenic heaache:CGH)、それに随伴する頭痛症候、脊椎障害との関係を評価する。
方法:今回の研究は観察研究だった。92人の被検者を評価した、72人には頸椎原性と思われる頭痛があったが、20人は無症状だった。頭痛症候については、質問表による評価を行った。目隠し状態の単独の検者は、可動域(ROM)の測定の前に、屈曲-回旋テストを実行し、(陽性か陰性かの)テスト状態について報告した。15人の被検者は、テスト中に頭痛を訴えたが、その後の再検査では無痛だった。ペアード t 検定を行って、被検者が頭痛を感じている時には、最も制限のある側への屈曲-回旋テストの可動性に変化が生じるのか否かを明らかにした。単変量線形回帰分析と重回帰分析を行って、被検者、頭痛の特性、屈曲-回旋テストの可動域との間の関係を検証した。ロジスティック回帰分析を行って、被検者と頭痛の特性との関係、屈曲-回旋テストが陽性か陰性かを検証した。
結果:頭痛があると、平均可動域が6°まで有意に(P<.01)減少したが、これによってテストの解釈が影響を受ける事は無かった。回帰分析によって、屈曲-回旋テストの可動域におけるバラツキの半分については、頭痛の他の特性ではなく、頭痛の重症度に関する指数や構成要素によって説明された。
結論:これらの所見は、頸椎の運動障害と頸椎原性頭痛の有無や重症度との関係を示唆している。(J Manipulative Physiol Ther 2010;33:666-671)
検索キーワード:身体検査:診断:頭痛:可動域

 
 図1.頸椎の屈曲-回旋テスト(FRT)

 

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