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PAACニュース165号:エクササイズ後の圧痛閾値と筋電図活動に対するアイス・マッサージの効果:無作為化比較対照交叉試験

2018/11/05

   Laura Anaya-Terroba,PT、Manuel Arroy-Morales,MD,PT,PhD、Cesar Femndez-de-las-penas,PT,PhD、
   Lourdes Diaz-Rodriquez,PhD、Joshua A.Cleland,PhD 著

                                             訳:栗原輝久

概観
目的:今回の研究の目的は、エクササイズ後に大腿四頭筋の圧痛閾値(Pressure Pain Thresholds:PPTs)と筋電図の二乗平均平方根(root mean square:RMS)に対するアイス・マッサージの効果を詳しく調査する事である。
方法:15人の運動選手(8人が年齢±2歳の女性)が参加した。参加者は、膝関節60°、120°、180°、そして240°/sで5回の等速性のコンセントリック収縮(短縮性収縮)が優勢な膝関節伸展を行った。エクササイズ後、彼らは、各々の調査1回ごとに、15分間のアイス・マッサージか(身体に影響しないように)減衰させた超音波の何れかを受けるように無作為に割り振られた。最大随意収縮中の圧痛閾値や二乗平方根を内側広筋(vastus medialis:Vm)、外側広筋(vastusu lateralis:VL)、大腿直筋(ractus fomoris:RF)上で、エクササイズ前(基準)、1回目のエクササイズ後、それから5分後に測定した。興味を引いた仮説は、施術×時間の相互作用だった。
結果:共分散に関する分析によって、内側広筋(F=17.3、P<.001)と外側広筋(P=5.4、P=.03)では有意な施術 ✕ 時間の相互作用が見られたが、大腿直筋では見られなかった(F=1.2、P=.3)、これは、アイス・マッサージ後の二乗平均平方根の上昇を示唆していた。外側広筋の圧痛閾値と二乗平均平方根の間には正相関が確認された(r=0.6、P=.03)。
結論:娯楽として運動を行っている運動選手では、等速性エクササイズ後のアイス・マッサージによって、外側広筋と内側広筋の圧痛閾値の上昇、そして大腿直筋の筋電図活動の上昇が生じた。これは、アイス・マッサージによって、鎮痛作用や筋電図活性の改善という結果が生じるのだという事を示唆している。(J Manipulative Physiol Ther 2010;33:212-219)
鍵となる言葉:疼痛閾値:マッサージ:氷(アイス):筋電図:エクササイズ

 
 図1.アイス・マッサージの実際

 臨床的適用
 ●エクササイズ後の回復法としての1回のアイス・マッサージの適用によって、大腿四頭筋の鎮痛効果(圧痛閾値の
  上昇)と運動効果が生じた。
 ●今回の研究の結果から、アイス・マッサージが遠心性の抑制経路を活性化するのだろうという事を示唆する予備的
  な証拠が得られる。

 (以下省略)

 

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