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PAACニュース162号:女性の骨盤底の筋力と基本的な緊張に対する素早い低振幅の脊椎マニピュレーション

2018/10/29

         Berta Siimon Nogueiria de Almeida,PhD,DC、Jose Hugo Sabatino,MD、Paulo Cesar,MD 著

                                             訳:栗原輝久

概観
目的:素早い低振幅のマニピュレーション(high velocity low amplitude:HVLA)による脊椎マニピュレーションは、腰椎骨盤痛の治療の際に頻繁に行われているが、骨盤底に対する効果については、これまで殆ど研究された事が無かった。今回の研究の目的は、神経筋系や骨格系の機能障害の無い患者に対する脊椎マニピュレーション前後の膣内圧(intravaginal pressure:IVP)と基本的な会陰部緊張(basal perineal tonus:BPT)を mmHg 単位で定量化する事である。
方法:今回の実験的、非比較的、非無作為化された研究では、水平背臥位の志願者の膣内に会陰圧測定器を挿入して膣内圧を測定した。経腟分娩の経験のない40人の健康な志願者が大学で参加した。会陰筋の全ての随意収縮を3つの方法で測定した:段階的な会陰収縮、副筋(accessory muscle)に関連した会陰収縮である。志願者の仙骨にHVLAを行った直後に、最新の圧力測定値を得た。特別なソフトを使って、その圧を記録し、パソコンみ転記した。
結果:HVLA前後の水銀柱によって得られた平均的な膣内圧は、それぞれ段階的な会陰収縮では56.01(±25.54)と64.65(±25.63)、持続的な会陰収縮では445.90(±186.84)と483.14(±175.29)、副筋に関連した会陰収縮では65.62(±26.56)と69.37(25.26)だった。段階的な会陰収縮の値にのみ有意な統計的変動が見られた(P=.0020)。収縮のタイプに拘わらず、基本的な会陰部緊張は増強した。
結論:仙骨へのHVLAは、骨関節疾患の無い女性の膣内圧と基本的な会陰部緊張の増強と関連していた。これらの仮の発見は、会陰部低緊張の女性の治療に関するこれからの研究に役立ちうる。(J Manipulative Physiol Ther 2010;33:109-116)
鍵となる言葉:骨盤底:会陰部:マニピュレーション:脊椎の:筋緊張:筋収縮 (以下省略)

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