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PAACニュース162号:三角線維軟骨複合体の障害の核磁気共鳴画像:総合的な臨床放射線学的なアプローチと文献の再検討

2018/10/28

       Usama Albastaki,MD、Dimitris Sophocleous,MD、Jan Gothin,PhD、Claude-Jerome,MD,PhD 著

                                              訳:栗原輝久

概観
目的:この論文では、核磁気共鳴画像を用いて、三角線維軟骨複合体(triangular fibrocartilage:TFCC)にしばしば見られる障害を描写する。
方法:我々のデータベースから109人の核磁気共鳴画像の遡及的な再検討を行った。全ての被検者には外傷歴があり、全員が手関節のレントゲン撮影や核磁気共鳴画像撮影の検査を受けていた。三角線維軟骨複合体(TFCC)の変化(退行変性、断裂)を評価した。
結果:不完全な撮影手順(4人)と低劣な画質(6人)のために、10人の患者を除外した。残った99例の手関節では、三角線維軟骨複合体が正常だったのが30人(30.3%)だった。退行変性は40人(40.4%)に見られた。部分断裂と完全断裂は、それぞれ17人(17.1%)と12人(12%)に存在していた。
結論:急性外傷の際の三角線維軟骨複合体の障害は見逃してはならないもので、既存の骨障害の治療後の手関節痛や機能障害の原因となるだろう。(J Manipulative Physiol Ther 2007:30:522-526)
鍵となる言葉:手関節:三角骨の線維軟骨:核磁気共鳴画像 

   
 図1.矢状断のSTIR(short T1-R1法)。矢印は、正常  図2.矢状断STIR画像。矢印は、三角靭帯尺側の退行変性
 で無傷の三角線維軟骨複合体と橈骨末端の瀰漫性高信    を指している。
 号強度を呈している浮腫を指している。

   
 図3.A.脂肪信号を抑制した矢状断スピン・エコーT2   図4.A.脂肪信号を抑制した矢状断スピン・エコーT2
 強調画像、矢印は撓側の三角靭帯の部分断裂を示して  強調画像、矢印は撓側の三角靭帯の完全断裂を示して
 いる。B.脂肪信号を抑制した矢状断スピン・エコー   いる。B.脂肪信号を抑制した矢状断スピン・エコー
 T2強調画像、矢印は尺側の三角靭帯の部分断裂を示し  T2強調画像、矢印は尺側の三角靭帯の完全断裂と示
 ている。                      している。

 (以下省略)

 

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