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PAACニュース160号:下肢痛のある被検者における下肢伸展挙上テストとスランプ・テストの間の合意と相関関係

2018/10/27

                             Jeremy Walsh、MManip Ther、Toby Hall,MSc 著

                                              訳:栗原輝久

概観
目的:下肢伸展挙上(SLR)とスランプ・テストは、椎間板ヘルニアに起因する神経根圧迫を識別するために伝統的に行われてきた。しかしこれらは、腰仙部の神経組織の機械的刺激に対する敏感さのテストとしてより適切だろう。今回の研究の目的は、腰痛と下肢痛のある集団におけるSLRとスランプ・テスト間の合意と相関関係を明らかにする事である。
方法:今回の研究は、観察的な横断研究という設定である。アイルランドの大きな教育病院の外来腰痛スクリーニング・クリニックから、片側性下肢痛のある45人の被検者を募集した。両側にSLRとスランプ・テストを行った。症状が再現された場合には、足関節を背屈させた。足関節の背屈で再現された主症状が増強されたが、これを陽性だと解釈した。傾斜計を使って、可動域(ROM)を測定した。
結果:SLRとスランプ・テストの解釈の間には相当の合意が見られ(k=0.69)、患側における2つの検査の間には高い相関関係があった(0.64)。陽性の結果が出た被検者では、両方の検査の可動域は、反対側の可動域や陰性の結果の出た被検者と比較すると、大きく減少した。
結論:足関節の背屈で増悪する下肢痛という主症状が再現される場合には、SLRとスランプ・テストが陽性だと解釈した。下肢痛のある集団におけるこれらの検査では、相当の合意と強い相関関係が見られた。このように解釈するのであれば、これらの検査は、神経組織の機械的刺激に対する敏感さに関して明確な結論を下す前に、更なる基準を満たさなければならない。(J Manipulative Physiol Ther 2009;32:184-192)
鍵となる言葉:腰痛:坐骨神経痛:身体検査:疼痛測定:神経学的検査 (以下省略)

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