PAACニュース154号:麻酔をかけたラットの脳脊髄液圧

2018/10/22

                              Brian S.Budgell.PhD、Philip S.Bolton,PhD 著

                                             訳:栗原輝久

概観
目的:今回の研究の主要目的は、麻酔をかけたラットの脳脊髄液(CSF)の圧力の主要な振動数と振動力について詳述し、幾つかのカイロプラクティック理論で提示されているように、CSFの圧力振動が循環系や呼吸器系の主要振動数と関連しているのか否かを明らかにする事である。
方法:麻酔をかけたラットに自然状態に近い陽圧の機械的人工換気を行いながら、心臓周期、呼吸周期、CSF圧を同時に記録した。未加工データからパワー・スペクトルを生み出し、心肺とCSFのデータ・セットにおける主要振動周波数を確認した。周波数の範囲にわたって換気のペースを機械的に示すことで、CSF圧と換気の同調を検証した。
結果:CSF圧の最大振動は、自然な換気と機械的にペース配分した換気の両方の際の胸部の動きと一致していた。また26回中の21回の実験で、低周波数の心臓周期のパワー・スペクトルと一致したCSF圧についても、低周波振動(<0.25)を確認することもできた。
結論:今回の研究は、麻酔をかけたラットのCSF圧の振動は換気と同調していて、換気によって駆動されている事が示唆された。動脈圧は、麻酔をかけて不動状態にあるラットのCSF圧には殆ど関与していない。今回の研究から、CSFの力学における椎骨の動きと脊柱の状態の影響に関する研究を発展させるような規範的で定量的なデータが得られる。(J.Manipulative Physical ther 2007;30:351-356)
鍵となる言葉:ラット:脳脊髄液:カイロプラクティック (以下省略)

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