PAACニュース152号:32歳女性の頭蓋内動脈瘤による頭痛

2018/10/21

              Susan M.Larkin-Their,DC、Anna B.Livdans-Forret,DC、Philis J.Harvey,MLn 著

                                             訳:栗原輝久

概観
目的:我々は、頭痛のある女性の症例について詳述するが、後にその頭痛が頭蓋内の動脈瘤によるものである事が判明した。この論文を通して"レッドフラッグ(危険因子)"についての関心を高めて、適切な患者管理を助長し、患者の回復の可能性を増大させるために、今回のような状態の存在を疑うようにカイロプラクターを誘導しなければならないというのが、我々の目的である。
臨床的な特徴:32歳の女性は、4日間続いた頭痛のために治療を求めていた。彼女は、その頭痛が頭部全体に亘って強くあるが、後頭基底部にその中心がある感じで、これまで経験した事の無いものであると言っていた。彼女には頸部痛も伴っていた。頭痛が生じて以来、彼女の左目は中心線よりに偏倚し、12時間に亘る過剰な流涙もみられた。
治療と結果:カイロプラクティック・アジャストメントは処方されなかった。その代わりに、緊急治療のための即座の転送を行った。核磁気共鳴画像によって、出血性の頭蓋内動脈瘤という診断が確認された。この患者は、外科的処置のために、現地の大学病院に搬送された。不幸なことに血管痙攣性の合併症のために亡くなった。
結論:今回の症例のような頭痛を持った患者を詳細する際に考慮すべき危険信号には、高血圧の病歴や喫煙、経口避妊薬の使用、アルコール摂取、妊娠、コカインの使用がある。臨床家は、頭痛が動脈瘤によるものかもしれないという事を示唆する徴候や症状を知っておく必要がある。(J Manipulative Physiol Ther 2007;30:140-143)
鍵となる言葉:頭蓋内動脈瘤:クモ膜下出血:脳血管障害:頭痛:マニピュレーション:カイロプラクティック (以下省略)

PAGE TOP