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PAACニュース146号:頚髄圧迫が存在する場合のマニピュレーション:症例集

2018/10/17

                    Donald R.Murphy,DC、Decan Eric,DC,PhD、Amy A.Gregory,DC 著

                                                      訳:栗原輝久

概観
目的:今回の研究の目的は、カイロプラクティック・マニピュレーションの治療を受けた頚髄障害の画像所見の見られた一連の患者についての情報を提供する事。
一連の症例:MRIで頚髄症外の画像所見が見られ、頸部痛と上肢痛のあった27人の患者(23~65歳、平均年齢44.3歳の徐女性18人、男性9人)がいた。彼らの中で重大な急性脊髄症や脊髄軟化症の指標である脊髄の進行した信号変化が見られた者はいなかった。これらの患者は、幾つかの形態の頸椎マニピュレーションを含んだ様々な治療法を受けた。マニピュレーションを含んだ治療(2~32回)の平均回数は12回だった。9人の患者は素早く振幅の小さい"スラスト"治療を受け、9人は低速度の筋エネルギー・テクニックの治療を受け、1人は、その両方を受けた。最後の追跡再検査の際の患者の客観的な改善の平均は、70.0%だった(全体的な範囲は10~70%だった)。基準線から最後の追跡再検査まで、結果測定における平均的な改革は以下のようなものだった。Bournemouthの頸部障害の質問表では23.7ポイント(31%)、頸部障害指数では6.4ポイント、数値式疼痛値では3.9ポイントだった。3人の患者では、最後の1~4日間に亘ってマニピュレーションによって疼痛が増悪した。大きな合併症はみられなかった。治療後に4日以上続いて疼痛が増悪した患者もいなかった。これらの患者の中では、新たなる神経学的な症状や徴候はみられなかった。
結論:核磁気共鳴画像における頚髄障害の所見は、必ずしもそれ自体でそのままマニピュレーションの禁忌症となる訳ではない。しかし頸椎マニピュレーションによる神経根性や脊髄症の合併症が文献の中で報告された事があるために、全てのケース(特に脊髄障害のような解剖学的な状態が存在する時には)慎重な配慮をしなければならない。(J Manipulative Physiol Ther 2006;29:236-244)
鍵となる言葉:頸椎:マニピュレーション:脊柱:頸部:脊髄圧迫:カイロプラクティック (以下省略)

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