PAACニュース140号:頸椎マニピュレーション後の大脳の血流の変化

2018/10/15

            テクネチウム99M・エチル・システイン二量体を用いて測定

 Barbara Cagnile,PT、Fillip Jacobs,MSc,PhD、Erik Barbaix,MD、Eike Vinck,PT、Rudi Dierckx,MD,PhD、
 Dirk Cambier,PT,PhD 著 

                                            訳:栗原輝久

概観
背景:頸椎マニピュレーションは、頸椎の筋骨格系問題を治療するために保険専門家が行っている多くの方法の1つである。マニピュレーションの重大な影響が記録されてきているが、その発生率は稀だとされている。頸椎マニピュレーション後に軽度の一次的な副作用-頭痛、眩暈、吐き気-がみられる事は、それよりも多いだろう。これに関する仮説の1つは、椎骨動脈の灌流を受ける部位の虚血によって、これらの副作用が引き起こされるというものである。
目的:今回の研究の目的は、頸椎マニピュレーションが脳の血流に影響を与えられるのか否かを調査する事である。
方法:単一光子放射型コンピューター断層撮影を行って、1人の理学療法士が15人のボランティアに頸椎マニピュレーションを行った事による局所的な大脳の血流の変化を検証した。その際にはテクネチウム99M・エチル・システイン二量体の1日の投与量を分割した単一光子放射型コンピューター断層撮影の照射規範に従った。
結果:頸椎マニピュレーション後に、ある脳領域に局所的な血流の減少が見られた事が確認された。これによって、頸椎マニピュレーション後に特定の人々が頭痛、眩暈、吐き気を経験する理由を説明する事ができる。小脳の血液灌流が不足している患者の症状やこれらの所見が他の好ましくない反応と関連する可能性についての更なる研究が必要である。(J Manipulative Physiol Ther 2005;28:103-107)
鍵となる言葉:マニピュレーション:頸部:局所的な血流:断層撮影:コンピューター制御の放出:単光子:過小灌流
(以下省略)
  

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