PAACニュース139号:腎移植後の後発性リンパ増殖性疾患による骨障害

2018/10/15

              Michelle A.Wessely,DC、Norman Kettner,DC、Claude Pierre-Jerome,MD,PhD 著

                                               訳:栗原輝久

概観
目的:腎移植後に肋骨に生じた単発性の骨障害であるリンパ増殖性リンパ腫を説明する。
臨床的特徴:53歳の男性は、胸郭の左後方下部の頑固な疼痛のために崖部門へ照会された。彼は、慢性糸球体腎炎の病歴のために、7年前に腎移植を受けていて、その後にアザチオプリンとシクロフォスファミドによる免疫抑制法を受けた。
処置と結果:この患者には臓器移植歴があったために、肋骨障害部位の外科的な切除が行われた。外科的に切除された組織の組織学的な検査によって、骨髄でのリンパ球細胞の瀰漫性の浸潤が明らかになった。これは、間質性線維症の徴候がみられ、更なる免疫組織化学的検査によって、標本におけるB細胞の存在が明らかになった。これによりB細胞性リンパ腫の診断が確定した。
結論:今回の症例報告は、臓器移植歴のある患者が免疫抑制療法を受けた事で生じたリンパ腫という稀な発表について考察している。このような障害は、どのような器官やシステム(系)でも生じるかもしれないが、骨格系に影響が及ぶ事は特に稀である。(J Manipulative Physiol Ther 2005;28:64-66)
鍵となる言葉:骨:リンパ増殖性疾患:リンパ腫:免疫抑制療法:シンチグラフィー (以下省略)

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