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PAACニュース137号:ナロキソンでは外側上顆炎の手技療法の初期の鎮痛効果を中和できない

2018/10/14

     Aatit Paungmali,Mothy 、Shauri O'Leary,Mothy、Tina Solvils,BPhty(Hons)、Bill Vincenzino,PhD 著

                                               訳:栗原輝久

概観
背景:慢性的な外側上顆炎に関して、末梢関節の授動法テクニックである肘の可動性治療テクニックを伴ったMullganの授動法(MWM)を行う事で、実質的かつ即座の鎮痛が生じるという事が、最近の研究で明らかになった(無痛状態での握力が48%増加した)。この鎮痛作用は、以前に報告された脊柱マニピュレーション治療よりも非常に大きかった。これによって末梢の手技治療の作用メカニズムが脊柱手技治療テクニックのそれとは異なるという事がほのめかされる。ナロキソンの拮抗作用や耐性の研究は、内因性の麻薬様物質が仲介する鎮痛作用のメカニズムを検証するための検査として広く受け入れられているが、これによって脊柱手技療法によって誘発される鎮痛作用は、麻薬様メカニズムとは関連していないという事が明らかになった。
目的:今回の研究の目的は、MWMによる鎮痛作用効果に対するナロキソン投与の効果を判定する事であった。
方法:無作為化された対照臨床試験を行って、MWMによって疼痛が緩和した18人の外側上顆炎患者に対するナロキソンや生理食塩水の処方、薬物の入っていない注射の影響を評価した。無痛状態での握力、圧痛閾値、温痛覚閾値、上肢の神経組織刺激検査の結果を測定した。
結果:今回の結果から、MWMの初期の鎮痛作用は、ナロキソンでは中和されない事が明らかになった。この事は、非麻薬様メカニズムの作用を示唆している。(J Manipulative Physiol Ther 2004;27:180-5)
鍵となる言葉:内因性麻薬様物質:鎮痛作用:手技治療:Mullganの授動法:ナロキソン:疼痛閾値(以下省略)

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