PAACニュース137号:椎間板症 カイロプラクティック裏話

2018/10/13

                      Journal of Chiropractic Association 2001 Volume 38 NO.6より

                                              訳:栗原輝久

 15年ほど前、解剖学の学生達は「脊柱の椎間板に疼痛感受性は無い」と教えられた。その後、椎間板に関する理解は劇的に発展した。「今日では、腰部の椎間板は非常に疼痛感受性が高い組織であり、何人かの研究者達の所見によれば、椎間関節よりも椎間板から疼痛が生じる事が多い」と"腰痛テキストブック:そのメカニズム、診断、治療"の著者であるJames Cox,DC,DACBR.は述べている。また「椎間板の前部と後部には相違があり、それぞれ固有の神経供給を受けている事、そして何人かの研究者達が椎間板内から生じる疼痛を立証した事、更に椎間板の退行変性の結果として腰部、臀部、鼠径部、仙腸部、下肢のへの放散痛が生じるという事を、我々は知っている」とも述べている。

 椎間板症の耐え難いほどの疼痛は、しばしば髄核の収納部である繊維の崩壊へと至る外傷によって生じる。Northwest Health Scinece University の教授であるThomas Davis,MUP,DC.は、そこから椎間板がどのように変性するのかについて詳述しているが、「髄核は、何か小さな虫のようにはみ出る事がある」と説明している。「これが膨張すると、神経を圧迫する事があり、実際に突出したり、遊離体として脱出すると、神経を圧迫する。加齢に伴って、椎間板は正常な水和能力を維持する事ができなくなり、そのために薄くなっていく。その後、椎間板周囲の組織は圧力に対してより敏感になる。また椎間板の厚みが減少するために、圧迫による悪影響が生じ易くなる。その際には、椎間孔の開口部周辺において何らかの骨構造の増殖が生じるだろう。そして最終的には、脊髄からの神経根を圧迫する事になり、退行変性の経過は更に悪化するだろう(以下省略)

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