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PAACニュース133号:生体の腰椎マニピュレーションの神経力学的な特徴:パートⅡ:神経生理学的な反応

2018/10/10

                Christopher J.Colloca,DC、Tony S.Keller,PhD、Robert Gunzburg,MD,PhD 著

                                               訳:栗原輝久

概観
目的:手動補助の短い梃子の脊柱マニピュレーティブ・スラストによる力学的な力に対する椎骨の動きと神経生理学的な脊髄神経根の反応を同時に定量化する事。
方法:4人の患者は、臨床上指摘された脊柱管と神経孔の減圧のために椎弓切除術を受けた。減圧術の前に、レントゲン蛍光透視法を指標として、直径1.8mmで糸を通した骨内ピンを腰椎(L1かL2)に棘突起にしっかりと固定した。そして高周波数で低雑音の10gの3軸性の加速度計をそのピンに取り付けた。減圧術の後で、両側に刺入したピンに隣接するように、4本の針の筋電計の(nEMG)の電極を多裂筋の中に刺入した、そして2つの二極性のプラチナ製電極を左右のS1脊髄神経根に配置した。脊髄を露出させて、2つの強度設定(~30N、<5/1000秒 (ms):~150N、<5msの強度、そして2つのベクトル(後方から前方と上方、後方から前方と下方)を行いながら、内部では腰仙部の棘突起と椎間関節に、外部ではそれぞれの脊柱の標識点を覆っている皮膚にコンタクトする事で、脊柱マニピュレーティブ・スラストを加えた。
結果:脊柱マニピュレーティブ・スラストの結果として、1000分の数秒間の単一の電位の変化という典型的な特徴を持つ明白な筋電図の反応と複合性活動電位(compound action potential:CAP)が生じた。しかし数多くのケースで、複合的な筋電図と複合電位の放電が観察された。力学的なスラストの開始と内からと外からの脊柱マニピュレーティブ・スラストに対する神経生理学的な反応との間の一次的な関係は、筋電図と複合電位反応に関して、それぞれ2.4~18.1/1000秒(ms)、24~28.6msの範囲であった。実質的に、神経生理学的な反応には患者間で様々な特性が見られた。
結論:椎骨の動きとその結果としての脊柱神経根と神経筋反射の反応は、脊柱マニピュレーティブ・スラスト(SMT)の際に加えられる力に一時的に関連しているように思われる。これらの所見は、生理学的な反応の誘発において脊柱マニピュレーションによって生じる分節間の動きが優勢な役割を果たすという事を示唆している。(J Manipulative Physiol Ther 2003;26:579-91 )
鍵となる言葉:生体力学:筋電図:腰痛:カイロプラクティック・マニピュレーション:神経生理学:坐骨神経痛(以下省略)

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