PAACニュース129号:頸椎のマニピュレーションは危険なのか?

2018/10/08

概観
目的:頸椎マニピュレーション後の脳血管事故に関する考査は多い。後遺症のない脳血管の梗塞の症例を報告する。
臨床的な特徴:39歳の女性には非特異的な頸部痛があり、かかりつけの一般開業医に頸椎マニピュレーションの治療を受けた。
治療と結果:これによって即座に強い頭痛と神経学的な症状が誘発されたが、CTスキャンと核磁気共鳴画像における左小脳の完全かつ永続的な梗塞の徴候があったにも拘わらず、これらは3ヶ月以内に完全に消失した。更に7年後、この患者は十分に働いていた。そして核磁気共鳴画像撮影が再度行われたが、左小脳半球の梗塞はまだ見られた。しかしこの患者には神経学的な症状は全くみられず、カラーの二重超音波検査によって、開放された椎骨動脈を含む頸椎血管は正常である事が明らかになった。
結論:頸椎マニピュレーション後の脳血管事故の危険性は低いように思われている。そして毎年行われている夥しい数の治療を考慮すると、一般的に受け入れられている手術に関連した重大な合併症の危険性よりもこれは非常に低いものである。頸椎マニピュレーションのための確固たる指標があれば、関連する危険性は非常に低く、重大な合併症に関する懸念は、あまりにも誇張され過ぎていると考えているものである。(J Manipulative Physiol Ther 2003;26:48-52)
鍵となる言葉:カイロプラクティック・マニピュレーション:頸椎:脳卒中発作(以下省略)

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