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PAACニュース126号:椎間板の真空裂溝を伴った外傷後の遅発性の椎骨破壊

2018/10/07

                            Melarie D.Osterhouse,DC、Norman W.Kettner,DC 著

                                               訳:栗原輝久

概要
目的:外傷後に遅発性の椎骨の破壊と真空裂溝がみられた79歳の男性のケースについて議論する。この患者は、副腎皮質ステロイドによる治療を長期間受けていた。Kummell病についての議論と本症の病因学周辺の討論も提案する。
臨床的な特徴:この患者は、クリニックに来る6週間前から、身体の捻じれ、弾けるような音が聞こえる。重度の腰痛といった症状があった。重大な事件の2週間後、この患者は、細菌性蜂巣炎のために入院する一方で、腰椎のレントゲン写真を撮られた。レントゲン写真から退行変性と遠い昔の(治癒している)圧迫骨折が明らかになったが、L2には形状異常は全く見られなかった。4週間後、頑固な腰痛のための治療を探した。レントゲン写真にはL2の椎体の著名な圧迫と椎間板の真空現象が見られた。
治療とその結果:この患者は、脊椎形成術や他の固定療法のために、かかりつけの老人病専門医に紹介された。彼は、重症筋無力症の症状を抑えるために、適度に高用量(60mg)のブレドニゾンを毎日用いていた。そのために、この患者の予後は不良だと思われた。
結論:Kummell病の決定的な病因学と病理生理学をはっきりとさせるには、臨床的な研究が必要である。今回のケースでは、椎間板の真空現象は力学的な実体で、大きさと形状が変化する事で明らかになった。以前の治療記録から、Kummell病は水平線のような裂溝として見られただけだという事が示唆された。この疾患のレントゲン像上の徴候と隠れた病理生理学との間の相関関係を明らかにするには更なる研究が必要である。(J Manipulative Physiol Ther 2002;25:270-5)
鍵となる言葉:骨壊死:椎間板:Kummell病:圧迫骨折(以下省略)

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