PAACニュース-114号 カイロプラクティックの臨床における安全性

2018/10/01

               パートⅡ:上部頸椎治療と脳血管事故の発生率

            Nils klougart,D.C.、Chalrotte Lebouef-Yde,D.C.,M.P.H.、Lars Rud Rasmessen,D.C.著

                                                                                                                              翻訳:栗原輝久

序論
背景:頸椎マニピュレーション後の脳血管事故の周辺事情には、更なる分類が必要である。とりわけ特殊テクニックの重要性に関しては、より多くの情報が必要である。
目的:上部や下部頸椎に対して行われた治療回数と使用したテクニックのの双方に関して、頸椎のカイロプラクティック治療後の脳血管事故(cerebrovascular incident :CVI)の発生を概算する。
意図:1978年~1988年の期間の質問によって、将来についての情報が整理された:二次調査において、カイロプラクター自身の症例記録を通じて、情報が提供された。
参加者:1989年時点でのデンマーク・カイロプラクター協会の226人の全臨床メンバー(応募率54%)、この研究に参加するように要請された同数のカイロプラクターの中から40人の無作為標本のカイロプラクター(応答率72.5%)。
結果判定:調査1:頸椎の治療に影響する診断の概算数、CVIの数とその臨床的な詳細。
調査2:申し出のあった部位-上部あるいは下部頸椎、治療の種類(非回旋テクニックあるいは回旋テクニック)を含んだ特定日の治療中の事故発生率。
主な結果:応答の中では、1981年から1988年までに報告されたCVI事故は約120.000件の頸椎治療に対して1件であった。CVIに関しては、上部頸椎へのSMT(脊柱手技療法)は、下部頸椎治療の約4倍の発生率であった。上部頸椎への回旋操作は、同部位への非回旋操作に比べて2倍近い確率でCVIが発生した。
結論:上部頸椎への回旋テクニックと脳血管事故との間には繋がりがあると思われるが、下部頸椎や他のテクニックの使用に関しても同様の意味がある。(J Manipulative Physiol Ther 1996;563-9)
鍵となる言葉:カイロプラクティック、医原性、脳血管事故、発生率、調査

PAGE TOP